※本ブログはフリューゲル行政書士事務所が運営しております。
「契約書の作成は行政書士に頼める?」
「相手から送られてきた契約書のチェックもできる?」
「契約条件の交渉まで行政書士に任せられる?」
「弁護士と行政書士は何が違う?」
契約書業務について調べると、
弁護士
だけでなく、
行政書士
も契約書を取り扱っていることがあります。
私は現在行政書士として仕事をしており、開業前には上場企業を含む企業法務で契約書の作成・レビューなども経験しました。
その経験からも、
契約書について「弁護士しか扱えない」と考えるのは正確ではありません。
行政書士法では、行政書士の業務として、
権利義務に関する書類の作成
が定められています。
日本行政書士会連合会も、その代表例として各種契約書を挙げています。
一方で、
行政書士なら契約に関することを何でもできる
わけでもありません。
特に、
すでに当事者間で争いがある。
相手方との交渉によって紛争を解決する必要がある。
訴訟への対応が必要。
といった案件では、弁護士法との関係が重要になります。
この記事では、
- 行政書士にできる契約書業務
- 契約書チェックはできるのか
- 契約締結の代理はできるのか
- 相手方との交渉はできるのか
- 示談書・和解書は作れるのか
- 弁護士へ依頼した方がいいケース
- 行政書士へ依頼しやすいケース
- 弁護士と行政書士の違い
について、2026年現在の法令を確認しながら整理します。
※個別案件では事実関係によって業務範囲の判断が変わり得ます。本記事は一般的な制度説明です。
結論|行政書士は契約書を作成できる。ただし「紛争解決」は別
最初に大まかに整理します。
契約書の作成
行政書士:対応可能
契約書の内容確認・修正案作成
行政書士:書類作成・その相談として対応できる範囲がある
契約締結の代理
行政書士:行政書士法上、対応できる範囲がある
すでに合意された内容の合意書・示談書作成
行政書士:対応可能
当事者間に争いがあり、その解決のために相手方と交渉
原則として弁護士へ
訴訟・裁判上の紛争対応
弁護士へ
というイメージです。
特に重要なのは、
「契約を作ること」と「争いを解決すること」は分けて考える
ことです。
2026年の行政書士法では条文番号が変わっている
まず、元の記事には修正すべき重要な点があります。
元記事では、
「行政書士法第1条の2により契約書を作成できる」
と書いていました。
これは以前の条文番号を前提とした説明です。
2026年1月1日に施行された改正行政書士法では、
第1条が「使命」。
第1条の2が「職責」。
そして、
行政書士の書類作成業務は第1条の3
に規定されています。
2026年現在の記事としては、ここを直しておいた方がいいでしょう。
行政書士法第1条の3|権利義務に関する書類を作成できる
現在の行政書士法第1条の3では、行政書士が他人の依頼を受け報酬を得て、
官公署に提出する書類その他権利義務・事実証明に関する書類を作成すること
を業務として定めています。
そして日本行政書士会連合会は、
「権利義務に関する書類」の具体例として、
- 贈与契約書
- 売買契約書
- 消費貸借契約書
- 使用貸借契約書
- 賃貸借契約書
- 雇用契約書
- 請負契約書
- 委任契約書
- 寄託契約書
- 組合契約書
- 和解書
などを挙げています。
つまり、
行政書士が契約書を作成できること自体は明確
です。
契約書にはどんなものがある?
企業や個人事業主が利用する契約書には、たとえば、
- 秘密保持契約書
- 業務委託契約書
- 売買契約書
- 取引基本契約書
- 金銭消費貸借契約書
- 賃貸借契約書
- 請負契約書
などがあります。
行政書士が扱える範囲であれば、
依頼者から、
誰と。
何をするのか。
報酬はいくらなのか。
いつまでなのか。
どんな条件なのか。
といった事情を聞き、
その合意内容を契約書として整理する
ことができます。
行政書士は契約書のチェックもできる?
ここは少し丁寧に説明した方がいいところです。
元の記事では、
「行政書士もリーガルチェックができる」
と一言でまとめていました。
大きな方向としては間違っていません。
ただし、
「リーガルチェック」という言葉は行政書士法にそのまま書かれているわけではありません。
現在の行政書士法では、
行政書士が作成できる書類について、
その書類の作成について相談に応ずること
も行政書士の業務とされています。
そのため、
たとえば依頼者から渡された契約書について、
「この条項をこう修正したい」
「自社側の契約書として整えたい」
「不足している条項を追加したい」
という依頼を受け、
契約書の作成・修正に関する相談として内容を確認し、修正文案を作る
ことは行政書士の契約書業務として考えられます。
「チェック」と「法律相談」は完全に同じではない
ここは重要です。
たとえば、
相手から業務委託契約書が届いた。
↓
行政書士が内容を確認。
↓
依頼者の取引内容を聞く。
↓
不足条項を追加。
↓
損害賠償条項を修正。
↓
契約書の修正版を作成。
という仕事なら、
契約書という権利義務書類の作成・相談
との関係がわかりやすいです。
一方、
すでに相手方との間でトラブルになっていて、
「法律上どちらが勝ちますか?」
「相手にいくら請求できますか?」
「裁判をするとどうなりますか?」
「相手にこう主張して示談させてください」
となれば、話は変わります。
これは単純な契約書作成ではなく、
紛争・法律事件への対応
という性格が強くなります。
弁護士法第72条との関係を考える必要があります。
行政書士は契約締結を代理できる?
ここも元の記事を修正した方がいいところです。
元の記事では、
「相手方への提示・交渉は行政書士×」
としていました。
しかし現在の行政書士法第1条の4では、
行政書士が作成できる、
「契約その他に関する書類を代理人として作成すること」
も業務として定められています。
さらに日本行政書士会連合会も、
行政書士は契約締結を代理したうえで契約書類を作成できる
と説明しています。
したがって、
「行政書士は契約の代理を一切できない」
という説明は正確ではありません。
では行政書士は相手方と交渉できる?
ここが一番難しいところです。
契約締結の代理が認められているからといって、
あらゆる交渉を行政書士ができる
という意味ではありません。
行政書士法第1条の3・第1条の4自体にも、
他の法律で業務が制限されているものについては扱えないという制限があります。
そして弁護士法第72条では、弁護士等でない者が報酬目的で、
一般の法律事件について代理、和解その他の法律事務を業として扱うこと
を制限しています。
そのため、
契約締結のための通常の代理
と、
当事者間ですでに権利義務について争いが生じており、その紛争を解決するための交渉
は区別して考える必要があります。
「交渉は全部ダメ」と書くのも、「全部できる」と書くのも危険
元記事では、
行政書士=交渉×
とかなりシンプルに整理していました。
わかりやすい反面、現在なら少し修正します。
日本行政書士会連合会自身が、
契約締結の代理
を行政書士業務として案内しているからです。
一方で、
法的な紛争を解決するために、
相手方と主張を戦わせる。
損害賠償額を交渉する。
和解条件を交渉する。
といった仕事まで行政書士が自由に扱えるわけではありません。
だから、
「通常の契約締結代理は行政書士法上認められている。ただし、紛争性のある交渉・法律事件は弁護士法との関係から弁護士へ」
と整理する方が正確だと思います。
行政書士は示談書・和解書を作れる?
作れるケースがあります。
日本行政書士会連合会は、
トラブルが発生していても、
当事者間の協議がすでに整っている場合
には、
「合意書」
「示談書」
などを行政書士が作成すると案内しています。
これはかなり重要な違いです。
例
AさんとBさんの間でトラブル。
↓
A「30万円払う」
↓
B「それで解決する」
↓
双方がすでに合意。
↓
その内容を示談書にする。
この、
合意済みの内容を書面へ落とし込む
のであれば、行政書士が扱える範囲があります。
まだ合意していない示談交渉は別
一方、
A「10万円しか払わない」
B「100万円払え」
↓
行政書士がBの代理人としてAと交渉。
↓
「50万円で示談してください」
というのは、
単なる書類作成ではありません。
当事者間の紛争を代理人として解決する交渉
になります。
このような案件は、弁護士へ相談するのが基本です。
日本行政書士会連合会も、債権債務問題について、
当事者間で協議が整っている場合には和解書等を作成できる一方、
裁判所に提出する書類や弁護士法に関わるものは除外すると説明しています。
内容証明も「書ける内容なら何でもいい」わけではない
行政書士は内容証明郵便の作成も行います。
ただし、日本行政書士会連合会は、
交渉によって解決しなければならない法的紛議が生ずることがほぼ不可避である案件を除く
と明示しています。
つまり、
書類のタイトルが、
「契約書」
「示談書」
「内容証明」
なら自動的に行政書士業務になる、
というわけではありません。
実際の案件がどのような状態なのか
を見る必要があります。
行政書士と弁護士の契約書業務を比較
2026年現在なら、私は次のように整理します。
契約書の作成
行政書士:○
弁護士:○
契約書の修正・作成に関する相談
行政書士:○
弁護士:○
契約締結代理
行政書士:行政書士法上対応できる範囲あり
弁護士:○
紛争がない通常の契約締結
行政書士:対応できる範囲あり
弁護士:○
すでに争いがある案件の代理交渉
行政書士:原則として弁護士へ
弁護士:○
合意済みの示談書・和解書作成
行政書士:○
弁護士:○
示談条件そのものの交渉
行政書士:原則として弁護士へ
弁護士:○
訴訟対応
行政書士:×
弁護士:○
という形です。行政書士の契約書作成・契約締結代理・合意済み示談書等については、日本行政書士会連合会の案内とも整合します。
行政書士に依頼しやすいケース
では、
どういう契約書なら行政書士へ相談しやすいのでしょうか。
私は次のように考えます。
1.これから新しく契約書を作りたい
たとえば、
「今まで口約束で取引していたので業務委託契約書を作りたい」
というケース。
まだトラブルはなく、
今後の取引条件を書面にして紛争を予防したい
という目的です。
これは行政書士の契約書業務と非常に相性がいいケースです。
日本行政書士会連合会も、契約内容を書面に残すことで後々の紛争予防になると説明しています。
2.自社で使う契約書のひな形を作りたい
たとえば、
- 秘密保持契約書
- 業務委託契約書
- 売買基本契約書
など。
これから複数の取引先と契約するため、
自社用の基本契約書を整備したい
というケースです。
こうした、
紛争予防のための書類整備
は行政書士へ依頼しやすい分野だと思います。
3.相手方から来た契約書を修正したい
相手から契約書案を受け取った。
↓
自社の取引内容に合わせたい。
↓
不足する条項を追加。
↓
不利な条件について修正文案を作成。
というケースです。
ただし、
すでに相手と激しく対立している。
契約違反が起きている。
損害賠償請求を予定している。
という事情があれば、単純な契約書チェックではなくなる可能性があります。
契約書の状態だけでなく、当事者間の関係も重要
です。
4.当事者間ですでに合意しており、書面だけ作りたい
たとえば、
貸したお金の返済方法について双方で合意した。
↓
合意書を作りたい。
というケース。
または、
トラブルについてすでに解決条件が決まった。
↓
示談書にしたい。
というケースです。
日本行政書士会連合会も、協議が整った後の合意書・示談書作成を行政書士業務として案内しています。
弁護士へ依頼した方がいいケース
逆に、
私は次のようなケースなら、最初から弁護士を検討した方がいいと思います。
1.すでに相手方と争いになっている
たとえば、
契約違反。
未払い。
損害賠償。
解除。
返金。
などについて双方の主張が食い違っている。
この段階では、
契約書作成より紛争解決が主目的
になっています。
弁護士へ相談する方が適切です。
2.相手方との交渉をすべて代理してほしい
「こちらは相手と話したくないので、代理人として金額や条件を交渉してください」
という場合です。
特に紛争が存在する状態での代理交渉は、弁護士へ依頼するのが基本です。
3.訴訟になる可能性が高い
すでに、
「払わなければ訴える」
「裁判で争う」
という状態なら、
契約書だけを見るのではなく、
紛争全体を見据えた対応
が必要です。
弁護士へ相談した方がいいでしょう。
4.法律問題が極めて複雑・高リスク
契約金額が非常に大きい。
複雑なM&A。
投資契約。
大規模な企業再編。
国際的な紛争可能性がある取引。
など。
行政書士だからできない契約類型だとタイトルだけで決まるわけではありません。
ただ、
高度な法律判断や紛争対応まで一体として必要になる案件
では、弁護士への依頼が適している可能性が高くなります。
「契約金額が高い=行政書士は扱えない」ではない
元の記事では、
「契約金額が大きいなら弁護士」
という書き方をしていました。
これは少し修正します。
行政書士法に、
「100万円以下なら行政書士」
「1億円なら弁護士」
という金額基準があるわけではありません。
重要なのは、
案件の法的性質
です。
金額。
複雑性。
紛争性。
取引リスク。
必要となる交渉。
などを総合して考えます。
金額が大きければリスクも大きくなることが多いので、結果として弁護士へ相談する合理性が高くなることはあります。
でも、
金額だけで行政書士の業務範囲が決まるわけではありません。
「M&A契約なら行政書士は絶対できない」とも書かない
元の記事では、
株式譲渡契約や吸収合併契約などを、
弁護士へ依頼すべき特殊契約
としてまとめていました。
実務上、M&A契約はかなり高度です。
弁護士へ依頼するケースが多いでしょう。
ただし、
「契約書の名称だけで行政書士法上絶対に作れない」
と断定するより、
個別案件の内容・法的判断・紛争性・他法令による制限で判断する
方が正確です。
行政書士法第1条の3も、権利義務書類の作成を認めながら、
他の法律で制限される業務は行えない
としています。
行政書士と弁護士の費用はどちらが安い?
元の記事では、
行政書士1~2万円。
弁護士5万円~。
という「相場」を掲載していました。
今回は削除します。
契約書業務の料金は、
- 契約書の種類
- ページ数
- 取引の複雑さ
- ヒアリング量
- 修正回数
- 交渉の有無
- 顧問契約かスポットか
などで大きく変わります。
また、
「行政書士なら必ず安い」「弁護士なら必ず高い」
とも限りません。
各事務所の料金体系によります。
契約書業務を依頼するときは、
料金だけでなく、
その案件を適法かつ適切に扱える専門家か
を優先した方がいいでしょう。
「安い契約書なら行政書士」という選び方もしない
行政書士と弁護士を、
安い契約書
行政書士。
高い契約書
弁護士。
と分けるのも正確ではありません。
分けるべきなのは、
業務の内容です。
紛争予防のために契約書を整備する。
↓
行政書士も候補。
すでに紛争になっており相手と交渉する。
↓
弁護士。
という方がわかりやすいでしょう。
契約書作成と紛争予防は行政書士と相性がいい
私は行政書士の契約書業務で一番大切なのは、
紛争が起きる前に書面を整えること
だと思います。
契約書がない。
↓
言った・言わない。
報酬が違う。
納期が違う。
著作権の扱いが違う。
途中解約できると思っていた。
という問題が起きる。
その後で専門家へ相談するより、
最初に、
双方の条件を書面で明確にしておく
方がいいわけです。
日本行政書士会連合会も、契約内容を書面に残すことを後々の紛争予防につながるものとして説明しています。
契約書を作るなら「ひな形の名前」だけで判断しない
たとえば、
「業務委託契約書を作ってください」
と依頼されたとします。
しかし、
業務委託契約書という名前だけでは、
ほとんど何もわかりません。
何を委託する?
成果物はある?
納期は?
報酬は?
再委託は?
著作権は?
秘密情報は?
途中解約は?
損害賠償は?
などを確認する必要があります。
行政書士の契約書業務は、
テンプレートの会社名を書き換える仕事ではありません。
依頼者の取引を理解し、
書面へ落とし込むことが重要です。
契約書実務を身につけるための本については、行政書士の契約書実務におすすめの本6選|作成・チェックを学ぶ順番も解説で紹介しています。
私自身、企業法務で感じた行政書士と企業法務の違い
私は行政書士になる前に企業法務を経験しました。
企業内の法務担当者なら、
自社の従業員として、
営業担当者と相談。
相手方との契約条件を調整。
経営判断。
弁護士への相談。
など、会社の内部で幅広く契約業務へ関わります。
一方、
独立した行政書士として他人から報酬を得て業務を受任する場合は、
行政書士法・弁護士法など士業法の業務範囲を意識する必要があります。
「前職の法務部では普通にやっていた」
というだけでは、行政書士として同じことを外部顧客へ提供できるとは限りません。
これは行政書士として契約書業務を扱うなら、かなり重要だと思います。
行政書士自身も「どこまで受けるか」を判断する必要がある
依頼者から、
「契約書を見てください」
と言われた。
それだけで、
即受任。
ではありません。
私は、
- まだ契約締結前なのか
- すでに契約済みなのか
- トラブルは発生しているのか
- 相手方と意見が対立しているのか
- 損害賠償請求を予定しているのか
- 裁判を予定しているのか
- 依頼者が求めているのは書類作成なのか、交渉なのか
などを確認する必要があると思います。
同じ、
「契約書をチェックしてください」
でも、
中身は全然違うからです。
行政書士が受けない方がいいと判断することも専門性
行政書士として仕事をしていると、
「せっかく問い合わせが来たから受けたい」
と思うかもしれません。
でも、
弁護士へ依頼した方がいい案件。
司法書士。
税理士。
社会保険労務士。
など別の専門家が必要な案件もあります。
自分で無理に抱えることより、
適切な専門家へつなぐこと
も重要だと思います。
特に契約書は、
依頼時点では紛争がないように見えても、
話を聞くとすでにトラブルになっていた、
ということも考えられます。
行政書士の契約書業務についてよくある質問
行政書士は契約書を作れる?
はい。
行政書士法では権利義務に関する書類の作成が行政書士業務とされ、日本行政書士会連合会も各種契約書を具体例として挙げています。
契約書のチェックもできる?
行政書士が作成できる書類について、その作成に関する相談も行政書士業務です。
そのため、契約書の内容確認、修正、修正文案作成など、契約書作成に関する業務として対応できる範囲があります。
ただし紛争性のある法律相談・交渉などは別に考える必要があります。
行政書士は契約締結を代理できない?
「一切できない」は正確ではありません。
日本行政書士会連合会も、行政書士が契約締結を代理したうえで契約書を作成できると案内しています。
相手方との交渉もできる?
案件によります。
通常の契約締結代理と、すでに当事者間で法的な争いが発生している状態での紛争解決交渉は分けて考える必要があります。
後者は弁護士へ相談するのが基本です。
示談書は行政書士が作れる?
当事者間ですでに協議が整っている場合には、示談書・合意書等を行政書士が作成できます。
示談交渉もできる?
すでに当事者間で争いがあり、その解決条件を相手方と代理交渉する案件は弁護士へ依頼するのが基本です。
裁判も行政書士へ頼める?
通常の民事訴訟の代理を行政書士が行うことはできません。
紛争が裁判段階へ進む場合には弁護士等の適切な専門家へ相談します。
行政書士と弁護士ならどちらが安い?
事務所・契約内容によって違います。
行政書士だから必ず安い、弁護士だから必ず高いとは言い切れません。
料金だけではなく、案件の内容に対応できる専門家を選ぶことが重要です。
まとめ|「契約書作成」と「紛争解決」を分けて考えよう
行政書士の契約書業務についてまとめると、
- 行政書士は権利義務に関する書類を作成できる
- 各種契約書はその代表例
- 契約書作成について相談に応じることもできる
- 契約書の内容確認・修正文案作成にも対応できる範囲がある
- 行政書士法上、契約書を代理人として作成する業務も定められている
- 日本行政書士会連合会も契約締結代理を案内している
- 合意済みの示談書・和解書も作成できる
- ただし紛争性のある代理交渉は弁護士法との関係に注意
- 訴訟・紛争解決を代理してほしい場合は弁護士を検討
- 契約書のタイトルだけではなく、案件の実態を見る必要がある
ということになります。
元の記事では、
「行政書士=契約書作成○・チェック○・交渉×」
という非常にわかりやすい表にしていました。
でも今回調べ直すと、
そこまで単純ではありません。
特に、
行政書士法上、契約に関する書類を代理人として作成する業務が規定されており、日本行政書士会連合会も契約締結代理を明示している
ため、
「行政書士は契約交渉・契約代理を一切できない」
という表現は修正した方がいいでしょう。
一方で、
行政書士法には、
他の法律によって制限される業務はできない
という明確な限界があります。
そして弁護士法第72条があります。
だから実務では、
「契約書だから行政書士」
「交渉だから全部ダメ」
と名前だけで決めるのではなく、
今、当事者間で争いがあるのか。
目的は契約を整えることなのか、紛争を解決することなのか。
ここを見ることが大切です。
これから取引を始める。
トラブルが起きないように契約条件を整理したい。
自社用の契約書を整備したい。
合意済みの内容を書面にしたい。
こうした、
紛争予防のための契約書作成
は行政書士が力を発揮しやすい分野です。
一方、
すでに相手方との間で法的な争いがある。
損害賠償額を交渉してほしい。
契約解除を巡って争っている。
裁判を予定している。
という状態なら、
契約書の作成だけを見るのではなく、弁護士へ相談する。
私はこの線引きを意識して契約書業務を考えるのが一番わかりやすいと思います。
※本ブログはフリューゲル行政書士事務所が運営しております。

