行政書士開業1年目のリアル|仕事・売上・営業・失敗を振り返る

行政書士開業物語

※本ブログはフリューゲル行政書士事務所が運営しております。

2025年9月に行政書士として開業してから、1年が経ちました。

開業前は、「行政書士として実際に仕事を始めたらどうなるのか」がよく分かりませんでした。

どんな仕事が来るのか。

どうやって仕事を取るのか。

ホームページを作れば問い合わせは来るのか。

行政書士一本で生活できるようになるのか。

実際に1年間やってみると、想像していたとおりだったこともあれば、まったく想定していなかったこともありました。

そこで今回は、行政書士開業1年目に実際に経験した仕事、売上、営業、ホームページ、SEO・MEO、失敗などについて振り返ってみます。

なお、具体的な売上額については公開しません。

「1年目でいくら稼げたのか」という数字ではなく、どのように仕事が始まり、何を考えながら1年間事務所を運営してきたのかを中心に書いていきます。

開業当初は契約書・宅建業許可・古物商許可などを考えていた

開業当初から、明確に一つの業務に特化しようとは考えていませんでした。

基本的には、依頼をいただける仕事があれば何でもやってみようという考えでした。

その中でも、契約書業務については自分でできる業務として考えていました。

また、何でもやるとはいっても、ホームページを作る以上はある程度ターゲットを絞らなければなりません。

そこで、宅建業許可や古物商許可なども取扱業務として想定していました。

特に宅建業については、当時、行政書士とは別に宅建士としてアルバイトをしていました。

宅建士のアルバイトをしていた理由

宅建士のアルバイトは、お金を稼ぐことが目的ではありませんでした。

勤務も土日の週2日だけです。

目的は主に、

  • 宅建業許可に触れること
  • 宅建士としての実務を身につけること

の2つでした。

当初は、アルバイト先の宅建業者の許認可も担当させてもらえるという話だったため、そこで経験を積み、その後は宅建業許可の仕事を広げていこうと考えていました。

ところが、実際には社長のお兄さんが行政書士で、許認可についてはそちらに依頼していたようです。

「最初の話と違うな」とは思いましたが、この時点では、後に自分が自動車業務を中心に仕事をすることになるとはまったく考えていませんでした。

開業して約3か月はほとんど仕事がなかった

2025年9月に開業しましたが、最初から仕事があったわけではありません。

開業から約3か月、リアルでの営業活動はほぼしていませんでした。

異業種交流会などにも参加していません。

支部の研修には一度参加しましたが、仕事につながるという意味では、私自身はあまり手応えを感じませんでした。

行政書士業務について特別な勉強をしていたわけでもありません。

その代わりにやっていたのが、ホームページです。

特に契約書のひな形を作り、それを一つずつ記事として公開していました。

今振り返ると、開業直後の私は、リアルで営業するよりもインターネット上に少しずつ土台を作っていたことになります。

開業3か月目に初めて行政書士として仕事を受任

初めて行政書士として依頼を受けたのは、2025年12月でした。

内容証明の依頼です。

依頼のきっかけは、自分のホームページではなく「よこはま行政書士ナビ」でした。

開業して約3か月。

ようやく最初の仕事です。

そして、その12月末にもう一つ大きな出来事がありました。

地域の自動車ディーラーから電話があり、車庫証明を継続的にお願いできないかという話をいただきました。

行政書士法改正のタイミングもあってのことでした。

ただ、当時の私は自動車関係の業務をまったく想定していませんでした。

宅建士のアルバイトをして、宅建業許可を経験しようとしていたくらいです。

そんな自分が、その後、自動車業務を中心に仕事をすることになるのですから分からないものです。

想定していなかった自動車業務が仕事の柱になった

最初は1店舗の車庫証明業務から始まりました。

その仕事を続けていると、今度は2店舗目を紹介してもらいました。

そこで車庫証明を受けるようになり、さらに、その店舗で車を購入したお客様が住所変更などをするときの自動車登録も担当するようになりました。

最初から自動車業務を専門にしようと営業したわけではありません。

一つの仕事から、紹介や周辺業務によって少しずつ仕事が広がっていった形です。

2026年2月に宅建士のアルバイトを辞めた

その頃になると、車庫証明の仕事も忙しくなっていました。

一方、宅建士のアルバイトについては、そもそもの目的だった宅建業許可の経験を積むことが難しくなっていました。

アルバイトを続ける目的が薄れたことに加えて、行政書士一本でやっていこうという気持ちもあり、2026年2月に辞めました。

もともと生活費を稼ぐためのアルバイトではなかったため、大きな決断をして収入源を捨てたという感覚ではありません。

「ここで経験したい」と思っていたことが経験できず、その一方で行政書士の仕事が増えてきた。

それなら行政書士に集中しよう。

そんな流れでした。

行政書士は書類仕事だと思っていた。でも、ほぼ運転していた

開業前と開業後で一番イメージが違ったことを挙げるなら、これです。

行政書士は書類仕事だと思っていました。

もちろん書類は作ります。

しかし、自動車業務が中心になった私の場合、実際には仕事時間のかなりの部分を車の運転に使うことになりました。

警察署や運輸支局などへ移動する必要があるからです。

開業前の自分に、

「1年後、お前はほとんど車を運転しているぞ」

と言っても、おそらく信じなかったと思います。

それ以外については、意外なほど開業前に想像していた世界と大きな違いはありませんでした。

開業1年目に実際に受けた行政書士業務

1年目に実際に取り扱った主な業務は、

  • 車庫証明
  • 自動車登録
  • 契約書
  • 内容証明

です。

古物商許可や探偵業についても受任したことはありますが、依頼者と連絡が取れなくなるなどして、最終的な業務完了には至りませんでした。

開業前に想定していた業務と、実際に仕事になった業務はかなり違います。

契約書業務は1年間で3件程度

開業当初から力を入れようと思っていた契約書業務は、1年間で3件程度でした。

そのうち2件はホームページ経由、1件は電話での問い合わせです。

開業直後から契約書のひな形を作り、ホームページにも力を入れてきたことを考えると、まだ主力業務と呼べる状態ではありません。

ただし、ホームページから実際に依頼が発生していることも事実です。

また、1年目に取り組んできたWeb施策が、2年目に入って少しずつ花開き始めている感覚もあります。

そのため、「1年やって3件しか来なかったから意味がなかった」とはまったく考えていません。

行政書士開業1年目の売上について

具体的な売上額を公開するつもりはありません。

そのうえで、1年間やってどうなったのかだけを書くと、行政書士一本でやっていける程度にはなりました。

では、「行政書士は食えるのか、食えないのか」。

1年間やってみた私の答えは、

食えるか食えないかでいえば、食える。

です。

ただし、

食える状態まで持っていくことはかなり難しい。

とも思います。

そして、私自身についていえば、単純に運が良かった面が大きかったと思っています。

他の行政書士がやりたがらないことをやった

自動車業務では、他の行政書士があまりやりたがらない仕事が回ってくることがあります。

たとえば、自動車の運転。

そして、日曜日の夕方から夜にかけての業務。

私はこのあたりに比較的対応できました。

結果として、他の人がやらない仕事が自分のところに回ってきた面があります。

自分の営業力だけで仕事を勝ち取ったとは考えていません。

タイミングや周囲の状況を含めて、運が良かったと思っています。

ただ、運良く仕事が来たときに、それを受けられる状態だったことは大きかったのかもしれません。

継続取引は非常に重要だった

行政書士は単発案件が多い仕事だと思っていました。

実際、単発の仕事は多いです。

だからこそ、1年間やってみて強く感じたのが、継続取引の重要性です。

一度仕事を受けて終わりではなく、継続して依頼してくれる取引先があることで、事務所経営はかなり変わります。

私の場合、そのきっかけになったのが自動車ディーラーでした。

1店舗との取引から2店舗目につながり、さらに車庫証明から自動車登録へ仕事が広がりました。

一つの仕事を単発の売上として見るだけでは分からない価値があると感じています。

行政書士のホームページは何のためにあるのか

開業1年目はホームページにかなりの時間を使いました。

1年間運営してみて、私は行政書士のホームページには大きく3つの役割があると考えています。

信用を生むツール

行政書士を探している人からすれば、名前と電話番号しか分からない人よりも、どんな業務をしていて、どんな考えを持っているのか分かる人の方が安心しやすいでしょう。

ホームページは事務所の信用を作る一つの材料になります。

自分を知ってもらうツール

ホームページには、自分の業務、考え方、経験などを蓄積できます。

初対面の相手にすべてを説明しなくても、ホームページを見てもらえば、自分が何をしている人なのかをある程度知ってもらえます。

24時間営業してくれるツール

自分が寝ていても、休んでいても、ホームページは見てもらえます。

記事を一度公開すれば、その後も検索などを通じて誰かに読んでもらえる可能性があります。

そう考えると、ホームページは24時間働いてくれる営業担当者のようなものだと思っています。

SEOはすぐに結果が出るものではなかった

1年間、SEOにも取り組んできました。

まず感じたのは、すぐに結果が出るものではないということです。

時間をかけて記事を書いたからといって、必ず上位表示されるわけではありません。

こちらがいろいろ考えている一方で、SEOをそれほど意識しているようには見えないサイトが上位表示されていることもあります。

このあたりは難しいところです。

ただ、1年間取り組んでみて、押さえるべきところを押さえれば、個人の行政書士事務所でも上位表示は十分狙えると感じています。

また、私が競合サイトを見てきた範囲では、SEOに積極的に取り組んでいる行政書士は、それほど多くない印象があります。

Webからの問い合わせについて、私は最初から短期間で成果が出るとは期待していませんでした。

Web上で確固たる地位を築くことができれば、長期的には強力な武器になる。

そう考えて続けてきました。

そして2年目に入った現在、1年目に積み上げたものが少しずつ花開き始めているのを感じています。

MEOは開業直後から取り組んでもいい

SEO以上に、開業直後の行政書士におすすめしやすいと感じたのがMEOです。

Googleビジネスプロフィールの情報をきちんと整理する。

実際に利用してくれた方から口コミをいただく。

こうした基本的なところから始められるため、開業したばかりでも着手しやすい施策です。

地域によってはSEO以上にライバルが少なく、比較的早く結果を出している行政書士も見かけます。

一方で、すでに強い事務所が複数ある地域では、後から追い越すのは簡単ではありません。

地域によって難易度が大きく違うというのが、1年間取り組んでみた感想です。

リアル営業はできるならやった方がいい

私は1年目、リアル営業をほとんどしていません。

ただし、

「リアル営業は必要ない」

という意味ではありません。

単純に、私自身がそこまで手を広げる余裕がなかっただけです。

できるのであれば、やった方がいいと思っています。

飛び込み営業については、個人的にはあまりおすすめしません。

ただし、行政書士法改正後の自動車業界については、実際に飛び込み営業をして仕事につながったという感想を聞くこともあります。

営業方法についても、すべての行政書士業務で同じ方法が有効とは限らないと思います。

交流会は「誰と会うのか」で意味が変わる

交流会についても、「行くべき」「行かなくていい」と一括りにはできません。

同業者との交流会なのか。

他士業との交流会なのか。

異業種の経営者との交流会なのか。

それによって目的がまったく違います。

また、自分が扱う業務によっても必要な人脈は変わります。

たとえば自動車業務では、自分の地域だけで完結しない案件があります。

他地域の行政書士へ仕事をお願いする機会があるため、同業者との横のつながりは非常に重要だと感じています。

一方、業務によっては行政書士同士よりも、他士業とのつながりの方が重要になることもあるでしょう。

交流会に行くこと自体を目的にするのではなく、

誰とつながる必要があるのか。

そこから考えた方がいいと思います。

行政書士会や支部活動について思うこと

行政書士会や支部の研修については、行政書士業務に直接つながるものは、それほど多くないと私は感じています。

単純に「稼ぎたい」という目的だけなら、無理をしてすべてに参加する必要はないと思います。

一方で、地域のつながりを大切にしたい人や、同業者と交流したい人にとっては意味があります。

仕事になるかどうかだけでなく、人生経験の一つとして参加するのもいいと思います。

また、支部研修については、研修そのものだけでなく、その後の懇親会を楽しみに参加している人も多い印象があります。

結局のところ、ここでも「何を目的に参加するのか」が重要なのだと思います。

1年目で「やらなくてもよかった」と思ったこと

1年間いろいろなことを試しましたが、今振り返って完全に意味がなかったと思うものは、実はそれほど多くありません。

1年目では意味がないように見えても、時間が経ってから別の形でつながることがあります。

その中で、あえて「やらなくてもよかった」と思うものを挙げるなら、私の場合はエキテンの有料プランです。

実際に課金して利用してみましたが、ほとんど反応がありませんでした。

そもそものアクセス数が少なく、有料プランを利用しているからといって必ずしも上位に表示されるわけでもありません。

少なくとも私が利用した範囲では、ここから行政書士業務の売上につながっていく気配を感じることができませんでした。

もちろん、業種や地域によって結果は違うと思います。

あくまで私が行政書士事務所として実際に有料プランを利用したうえでの感想ですが、その費用を別の施策に使った方がよかったと思っています。

また、SNSマーケティング会社についても、行政書士事務所に必須とは思いませんでした。

1年間やってみて感じたのは、行政書士の集客は、何か特別な裏技を見つけなければ成功できないような世界ではないということです。

ホームページを整える。

SEOやMEOに取り組む。

必要に応じてリアル営業をする。

人とのつながりを作る。

自分の業務について学ぶ。

やるべきことは、ある程度決まっています。

それを時間をかけて粛々と続けていけば、少しずつ結果につながっていく世界なのではないかと思っています。

開業したばかりの行政書士は何をすればいいのか

「行政書士として開業したら、まず何をすればいいですか?」

この質問に、全員共通の答えはないと思います。

特に大きいのは、

すでに専門分野があるか。

そして、

結果が出るまで待てるだけの資金的な余裕があるか。

この2点です。

たとえば、すでに専門分野があり、当面の生活にも余裕がある人なら、中長期的なWeb戦略に時間を使いやすいでしょう。

一方、専門分野はあるものの資金的な余裕がないのであれば、SEOの成果が出るまで何か月も待っているわけにはいきません。

リアル営業などを通じて、目の前の仕事を取りにいく必要性が高くなります。

逆に、資金的な余裕はあっても、そもそも専門分野がないのであれば、営業やWeb集客だけでなく、まず自分が提供できる業務を増やすための勉強にも時間を使う必要があります。

専門分野もなく、資金的な余裕もないのであれば、業務を勉強しながら同時に仕事を取りにいかなければなりません。

このように、

  • 専門分野があるのか
  • 資金的な余裕があるのか
  • すぐに売上が必要なのか

によって、やるべきことの優先順位は変わります。

誰かがSEOで成功したからSEO。

誰かが飛び込み営業で成功したから飛び込み営業。

誰かが交流会で仕事を取ったから交流会。

そうやって他人の成功例をそのまま真似するのではなく、まず自分が置かれている状況を考えた方がいいと思います。

そのうえで、

中長期のネット戦略、リアル営業、業務の勉強。

この3つにどのように時間を使うのかを決めていく。

開業1年目を経験した今なら、私はそう考えます。

独立して一番よかったことは「自由」

行政書士として独立して1年。

「独立してよかったことは何ですか?」

と聞かれたら、答えは一つです。

自由。

時間も、働く場所も、仕事も、人間関係も、お金の使い方も、休むタイミングも、事業の方向性も、自分で決められます。

全部です。

私の場合、関わってくれている人に恵まれていることも大きいと思います。

そのおかげもあって、独立した方が会社員よりしんどいと感じることはあまりありませんでした。

周囲の人に恵まれながら、個人事業主としての自由も享受できています。

ただし、一つだけ面倒なことがあります。

事務処理とお金の計算です。

これは今でも面倒です。

行政書士開業2年目にやりたいこと

1年目は、自分が当初想定していなかった方向へ仕事が広がった1年でした。

2年目は、1年目にできた土台を意識的に育てていきたいと思っています。

具体的には、

  • ホームページで盤石の地位を築く
  • MEOでも盤石の地位を築く
  • 他の行政書士と協力して自動車業務を拡大する
  • 契約書業務を定期的に受任できる状態にする
  • 社会貢献活動を続ける

といったことに取り組んでいく予定です。

1年目に取り組んだことの中には、1年目だけを見ると成果が分かりにくかったものもあります。

しかし、2年目に入って早くも、それらが少しずつつながり始めています。

そのため、すぐに仕事にならなかったからといって、その取り組みに意味がなかったとは考えていません。

2年目が終わったとき、それぞれの取り組みがどうなっているのか。

また振り返ってみたいと思います。

まとめ|自分はどんな価値を提供できるのか

行政書士として開業したばかりの自分に一つだけ伝えられるとしたら、こう言います。

「自分がどんな価値を提供できるのか。それを先に考えろ。そうすれば、おのずとうまく進んでいくはずだ。」

開業当初の私は、契約書、宅建業許可、古物商許可などを考えていました。

しかし、1年後に仕事の中心になっていたのは、当初まったく考えていなかった自動車業務でした。

だから、「どの業務を専門にするか」だけを考えていても、答えは出ないのかもしれません。

自分は誰に、何を提供できるのか。

相手が困っていることに対して、自分には何ができるのか。

それを考える方が先です。

そして、この言葉にはもう一つ意味があります。

自分が相手に価値を提供できていないのに、先に何かをねだらないこと。

仕事が欲しい。

紹介してほしい。

お金が欲しい。

自分のことを知ってほしい。

そう思うこと自体は当然です。

しかし、その前に、

「自分は相手に何を提供できるのか」

を考える。

仕事でも、人とのつながりでも、事業でも、まず自分から価値を提供する。

見返りを求めるのは、その後です。

開業1年目を振り返って、私が一番大切だと感じているのは、結局そこなのかもしれません。

行政書士として何を専門にするかよりも前に、自分がどんな価値を提供できる人間なのかを考える。

それができれば、自分が進む方向も、おのずと見えてくるのではないかと思います。

※本ブログはフリューゲル行政書士事務所が運営しております。

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