※本ブログはフリューゲル行政書士事務所が運営しております。
「企業法務って面白い仕事なの?」
「法務部にはどんなやりがいがある?」
「法律を一日中読んでいるだけではないの?」
企業法務に興味がある人なら、このような疑問を持つこともあると思います。
私は行政書士試験に合格した後、未経験から上場企業の法務部へ転職して企業法務を経験しました。
実際に働いてみて感じたのは、
企業法務は、法律を勉強することが好きな人にとってかなり面白い仕事
だということです。
ただし、単に法律を読んでいるだけではありません。
契約書を確認する。
事業部門から相談を受ける。
法律を調べる。
会社としてどこまでリスクを取れるか考える。
経営に関わる重要な案件をサポートする。
さまざまな仕事があります。
この記事では、私が実際に企業法務で働いて感じた、
企業法務・法務部の7つのやりがいと魅力
を紹介します。
また、良いところだけではなく、
実際に働いて感じた地味な部分や大変なところ
についてもお伝えします。
企業法務の具体的な仕事内容については、企業法務とは?仕事内容・役割を未経験者向けにわかりやすく解説でも詳しく紹介しています。
- 企業法務のやりがい・魅力7選
- 1.勉強した法律知識をそのまま仕事に使える
- 2.働きながら専門性を高められる
- 3.いろいろな部署・事業について知ることができる
- 4.会社の重要な意思決定に関われることがある
- 5.トラブルを未然に防ぐことにやりがいがある
- 6.「どうすればできるか」を考える面白さがある
- 7.法務経験そのものがキャリアになる
- 法律を勉強することが仕事の一部になる
- デスクワーク中心なのも人によっては魅力
- 「法務だから偉い」という仕事ではない
- 企業法務の仕事は地味なことも多い
- トラブル対応は精神的に大変なこともある
- 成果が見えにくいこともある
- 企業法務に向いているのはどんな人?
- 法務未経験でも魅力を感じたら目指していい
- 企業法務のやりがいについてよくある質問
- まとめ|企業法務は「学んだ知識で会社を支える」ことにやりがいがある
企業法務のやりがい・魅力7選
私が実際に働いて感じた企業法務の魅力は、次の7つです。
- 勉強した法律知識をそのまま仕事に使える
- 働きながら専門性を高められる
- いろいろな部署・事業について知ることができる
- 会社の重要な意思決定に関われることがある
- トラブルを未然に防ぐことにやりがいがある
- 「どうすればできるか」を考える面白さがある
- 法務経験そのものがキャリアになる
一つずつ紹介します。
1.勉強した法律知識をそのまま仕事に使える
私が企業法務で最も魅力を感じたことの一つが、
勉強した知識を仕事で使えること
です。
私は企業法務へ入る前から、行政書士試験をはじめさまざまな法律系資格を勉強していました。
資格試験では、
民法。
会社法。
個人情報。
知的財産。
契約。
などを勉強します。
でも資格試験だけを受けていると、
「この知識を実際にどこで使うんだろう?」
と思うことがあります。
企業法務へ入ると、それが変わりました。
契約書を見る。
法律について相談を受ける。
法改正を調べる。
会社法に関係する手続を確認する。
資格試験で見た言葉が、実際の仕事に出てきます。
これは法律の勉強が好きだった私にとって、かなり面白い経験でした。
勉強したことが単なる試験知識で終わらず、仕事のスキルになっていく。
企業法務の大きな魅力だと思います。
2.働きながら専門性を高められる
企業法務には、
働きながら専門知識を積み上げていける
という魅力があります。
最初はわからなかった契約条項。
知らなかった法律。
聞いたこともなかった制度。
それでも仕事で何度も調べているうちに、少しずつ理解できるようになります。
たとえば、
最初は契約書を一つ確認するだけでも時間がかかる。
↓
何件も見る。
↓
よく出てくる条項がわかる。
↓
相手から修正案が来たときに、どこが問題なのかわかるようになる。
というように経験が積み重なっていきます。
もちろん、何年働けば何でもわかるようになるという意味ではありません。
法律は広いですし、会社ごとに扱う分野も違います。
それでも、
昨日できなかったことが、仕事を続けることで少しずつできるようになる
という感覚があります。
専門職として成長している実感を持ちやすい仕事だと思います。
3.いろいろな部署・事業について知ることができる
企業法務は法務部の中だけで仕事が完結するとは限りません。
会社のさまざまな部署から相談が来ます。
営業。
人事。
総務。
経理。
開発。
マーケティング。
経営企画。
会社によって違いますが、多くの部署と関わります。
たとえば契約書の審査をするときも、
契約書だけを読めば終わり
ではありません。
「この取引は何をするものなのか」
「会社はどこで利益を出すのか」
「相手は何を担当するのか」
「トラブルになったら何が困るのか」
まで理解しないと、契約書を適切に確認できないことがあります。
そのため法務をしていると、
会社のいろいろな仕事を知ることができます。
私はここも企業法務の面白いところだと思います。
4.会社の重要な意思決定に関われることがある
元の記事では、
「経営に近いところで働くことができる」
という点を企業法務の魅力として挙げていました。
これは会社や担当業務によってかなり違います。
しかし企業法務では、
- 大きな契約
- 新規事業
- M&A
- 株主総会
- 取締役会
- コンプライアンス
- 重大なトラブル
など、会社にとって重要な案件へ関わることがあります。
自分が最終的な経営判断をするわけではありません。
しかし、
経営陣が判断するために法的なリスクを整理する
という役割を担うことがあります。
これは法務ならではのやりがいだと思います。
事業部門から相談を受け、
法律を調べ、
リスクを整理し、
「こういう選択肢があります」
と提示する。
その情報を踏まえて会社が判断する。
裏方ではありますが、
会社の重要な意思決定を法律面から支える
ことができる仕事です。
5.トラブルを未然に防ぐことにやりがいがある
企業法務には、
何か問題が起きた後に対応する仕事
もあります。
一方で、
問題が起きる前に防ぐ仕事
もかなり重要です。
たとえば契約書なら、
「もし相手が代金を支払わなかったら?」
「秘密情報が漏れたら?」
「契約を途中で終了したくなったら?」
「トラブルが起きたら、どちらが責任を負う?」
といったことを事前に考えます。
そして契約書へルールを書きます。
実際には何もトラブルが起きないかもしれません。
その場合、
法務が何をしたのかわかりにくい
という側面もあります。
しかし、
何も起きないように準備する。
問題になりそうなところを事前に見つける。
これも重要な仕事です。
営業のように、
「今月○○万円売った」
という成果は見えにくいかもしれません。
それでも、
会社が安心して事業を続けられる環境を作る
ことにやりがいを感じられる人には、企業法務は面白い仕事だと思います。
6.「どうすればできるか」を考える面白さがある
法務というと、
「それは法律上できません」
と言う仕事だと思われることがあります。
もちろん、本当にできないことなら止めなければなりません。
しかし私は企業法務で働いて、
「できない理由を探すだけではなく、どうすればできるのかを考える仕事でもある」
と感じました。
たとえば事業部門から、
「こういうサービスを始めたい」
と相談が来たとします。
そのままでは法律上のリスクがある。
そこで、
「では条件をこう変えたら?」
「この表示を追加したら?」
「契約でここを決めたら?」
「この運用を変更したら?」
と考えます。
法律を守りながら、
事業をできるだけ前へ進める方法を考える。
ここに企業法務ならではの面白さがあります。
これは資格試験とはかなり違います。
試験問題なら正解は一つです。
実務では、
100%安全な答えがないこともあります。
何がリスクなのか。
リスクはどれくらい大きいのか。
会社としてどこまで取れるのか。
どうすれば減らせるのか。
それを考えるのが企業法務です。
7.法務経験そのものがキャリアになる
元の記事では、
「手に職をつけられる」「転職しやすい」
という表現を使っていました。
今なら、
「専門性のある実務経験として積み上げやすい」
と表現したいと思います。
企業法務では、
- 契約審査
- 法律相談
- 会社法関係
- コンプライアンス
- 知的財産
- 法改正対応
などの経験を積みます。
こうした経験は、別の会社の法務でも活かせる場合があります。
もちろん、
法務経験があればどこにでも簡単に転職できる
という意味ではありません。
企業によって求められる経験も違います。
しかし、
「営業を○年間経験した」
と同じように、
「企業法務を○年間経験した」
という専門的な職歴になります。
私はフリーターを経験した後、行政書士試験に合格し、未経験から企業法務へ転職しました。
当時の私にとって、
専門分野の実務経験を積めること
はかなり魅力的でした。
企業法務への転職については、行政書士試験合格後、上場企業法務に未経験で転職・再就職した件でも詳しく書いています。
法律を勉強することが仕事の一部になる
これは法律好きにとって、企業法務最大の魅力かもしれません。
法改正があった。
新しい事業が始まった。
知らない法律が関係してきた。
そうなれば調べなければなりません。
普通の仕事では、
勉強は仕事が終わってからするもの
ということもあります。
法務では、
調べること自体が仕事
になる場面があります。
法律。
ガイドライン。
判例。
行政機関の資料。
専門書。
さまざまな資料を使って調査します。
私はもともと資格試験の勉強をしていたので、
「勉強して身につけた知識を仕事で使い、仕事をしながらまた新しいことを勉強する」
という循環がかなり好きでした。
法律を学ぶこと自体のメリットについては、法律を学ぶ意味とは?社会人が実感した7つのメリットでも紹介しています。
デスクワーク中心なのも人によっては魅力
元の記事では、
「外出の機会が少ない」
ことも企業法務の魅力として挙げていました。
これは会社や仕事内容によります。
弁護士との打ち合わせ。
官公庁対応。
株主総会。
取引先との交渉。
などで外出することもあります。
そのため、
「法務なら絶対に外出しない」
とはいえません。
ただ、契約書の確認や法律調査など、
パソコンや書類を使うデスクワークの割合が高い
仕事ではあります。
私は営業職も経験しています。
外を回り続ける仕事と比べると、
落ち着いて一つの問題を考える時間が多い
ことは、法務の特徴の一つだと感じました。
そのような働き方が好きな人には魅力になると思います。
「法務だから偉い」という仕事ではない
法律を扱っていると、
「法務が一番正しい」
という感覚になってしまう危険もあります。
しかし企業の目的は、
法律問題を研究することではなく、事業を行うこと
です。
営業には営業の事情があります。
開発には開発の事情があります。
経営には経営の判断があります。
法務は、
法律の専門性を使ってそれらを支える部署
です。
そのため、
「法律上こうだから従ってください」
だけではなく、
相手が何をしたいのかを理解する。
そのうえでリスクを説明する。
できる方法を一緒に考える。
という姿勢が重要です。
私はそこに、
企業の中で働く法務ならではの面白さ
があると思っています。
企業法務の仕事は地味なことも多い
ここまで魅力を書いてきましたが、
企業法務は毎日、
M&A。
重大訴訟。
経営会議。
のような華やかな仕事をしているわけではありません。
むしろ、
契約書を読む。
誤字を確認する。
期限を管理する。
資料を作る。
法律を調べる。
メールを書く。
過去資料を探す。
といった地道な仕事もたくさんあります。
1日中契約書を確認する日もあります。
そのため、
「会社の重要案件だけを扱うかっこいい仕事」
と思って入るとギャップがあるかもしれません。
私はむしろ、
地道な確認を積み重ねた先に、大きな案件へ対応するための専門性ができていく
仕事だと思っています。
トラブル対応は精神的に大変なこともある
法務にはトラブルが集まってきます。
契約でもめた。
取引先からクレームが来た。
訴訟になりそう。
法律違反の可能性がある。
といった案件です。
そういうときは、
会社にとって重要で、時間的にも余裕がない
ことがあります。
法務は常に落ち着いたデスクワークというわけではありません。
担当する会社や時期によっては忙しくなります。
企業法務の大変な部分については、法務部は激務?きつい?つらい?で詳しく紹介しています。
成果が見えにくいこともある
営業なら、
売上。
契約件数。
など数字で成果が見えます。
法務では、
「トラブルを防いだ」
ことを数値化しにくい場合があります。
何も起きなければ、
「法務のおかげで何も起きなかった」
と気づかれないこともあります。
そのため、
目に見える成果や評価を強く求める人
には物足りなく感じる可能性があります。
逆に、
誰かの仕事を支える。
リスクを減らす。
会社を守る。
ということに価値を感じられる人には、大きなやりがいがあります。
企業法務に向いているのはどんな人?
私が実際に働いて感じたのは、
- 法律を勉強することが苦ではない
- 調べることが好き
- 細かいところを確認できる
- 人から相談を受けることが苦ではない
- 問題を整理するのが好き
- 誰かを支える仕事が好き
- 「できない」で終わらず解決策を考えたい
という人は企業法務と相性がいいと思います。
詳しくは、企業法務に向いている人の特徴7選|法務部経験者が向いていない人も解説で紹介しています。
法務未経験でも魅力を感じたら目指していい
この記事を読んで、
「企業法務をやってみたい」
と思った人の中には、
法務経験がないから無理
と思っている人もいるかもしれません。
私自身、最初は未経験でした。
行政書士試験には合格していましたが、企業法務の実務経験はありませんでした。
そこから上場企業の法務部へ入り、実際に仕事を覚えました。
もちろん、未経験から必ず転職できるという意味ではありません。
しかし、
現在法務ではない=企業法務を目指せない
わけではありません。
まず、
企業法務の仕事内容を知る。
法律を勉強してみる。
求人を見る。
現在の仕事で契約などに関わる。
少しずつ準備することはできます。
企業法務で最初に勉強する資格については、企業法務・法務部員1年目が取得するべきおすすめの資格も参考にしてください。
企業法務のやりがいについてよくある質問
法務部の一番のやりがいは?
人によって違いますが、私は、
法律知識を使って現実のビジネス上の問題を解決すること
に大きなやりがいを感じました。
法律が好きなら法務は楽しい?
法律が好きな人とは相性がいいと思います。
ただし法律を読むだけではなく、他部署とのコミュニケーションや細かい事務作業もあります。
法務は専門性が身につく?
契約審査、法律相談、会社法、コンプライアンスなどの実務経験を積むことができます。
ただし担当業務は会社によって違います。
法務は経営に近い?
重要契約、新規事業、M&A、株主総会など、経営に関係する案件へ法務が関わることはあります。
一方、会社や担当ポジションによって経営陣との距離は大きく異なります。
法務は外出が少ない?
契約審査や法律調査などデスクワークが中心となる業務も多いですが、外部専門家との打ち合わせなどで外出する場合もあります。
法務は楽な仕事?
一概にはいえません。
トラブル対応や期限のある案件が集中すれば忙しくなることもあります。
まとめ|企業法務は「学んだ知識で会社を支える」ことにやりがいがある
私が実際に企業法務で働いて感じた魅力は、
- 勉強した法律知識をそのまま仕事に使える
- 働きながら専門性を高められる
- いろいろな部署・事業について知ることができる
- 会社の重要な意思決定に関われることがある
- トラブルを未然に防ぐことにやりがいがある
- 「どうすればできるか」を考える面白さがある
- 法務経験そのものがキャリアになる
という点です。
元々私は、資格試験で法律を勉強していました。
そこから企業法務へ転職して、
「今まで勉強してきた法律が、実際の会社ではこうやって使われているんだ」
と知ることができました。
それはかなり面白かったです。
もちろん企業法務には、
細かい確認。
地道な事務作業。
トラブル対応。
勉強の継続。
といった大変な部分もあります。
それでも、
法律を勉強することが好きで、その知識を現実の仕事に使いたい人
にとっては、非常にやりがいのある仕事だと思います。
法律を使って会社を守る。
事業部門を支える。
そして、
「できない」で終わるのではなく、どうすれば事業を進められるのかを考える。
私はそこに、企業法務ならではの魅力があると思っています。
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