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行政書士の契約書実務におすすめの本6選|作成・チェックを学ぶ順番も解説

行政書士開業物語

※本ブログはフリューゲル行政書士事務所が運営しております。

「行政書士として契約書作成を仕事にしたい」

「でも行政書士試験では、契約書の作り方なんて習っていない」

「契約書のリーガルチェックは、何を見ればいいのかわからない」

行政書士として開業すると、

契約書の作成・チェック

を業務にしたいと考える人もいると思います。

日本行政書士会連合会も、行政書士が権利義務に関する書類として契約書等の作成を行う専門家であることを案内しています。

しかし、

行政書士試験に合格した=契約書を作れる

ではありません。

行政書士試験では民法などを勉強します。

でも、

契約書の構成。

条項の意味。

契約相手から送られてきた契約書のチェック。

自社・依頼者に不利な条項の発見。

修正案の作り方。

契約類型ごとの注意点。

などの実務を体系的に学ぶわけではありません。

私は行政書士として開業する前に、上場企業を含む複数の会社で企業法務を経験しました。

企業法務では、契約書の作成・レビューも重要な仕事の一つです。

実際に契約書業務を経験して感じるのは、

契約書は「民法を知っているだけ」ではなかなか作れない

ということです。

一方、

何もわからない状態からでも、

基本。

リーガルチェック。

条項ごとのチェックポイント。

契約書作成。

実際に自分で作る。

という順番で勉強すれば、契約書実務の理解はかなり深められます。

そこでこの記事では、

行政書士が契約書作成・チェックを学ぶためにおすすめしたい6冊

を、読む順番まで含めて紹介します。

私がおすすめする順番は、

  1. 『企業法務1年目の教科書 契約書作成・レビューの実務』
  2. 『契約書のリーガルチェック』
  3. 『実務必携 契約書チェックマニュアル』
  4. 『トラブルを未然に防ぐ「中小企業の契約書」読み方・作り方・結び方』
  5. 『契約書のツボとコツがゼッタイにわかる本[第2版]』
  6. 『契約書作成の実務と書式 第3版』

です。

ただ本を6冊読むだけではなく、

それぞれの本を何のために使うのか

まで解説します。

※この記事は2026年8月時点で確認した情報をもとに作成しています。

結論|契約書実務は「読む→チェックする→作る」の順番で学ぶ

最初に結論です。

契約書を学ぶなら、

いきなり、

「契約書を1から作ってみよう!」

と始めない方がいいと思います。

私なら、

STEP1

契約書の基本を知る。

STEP2

リーガルチェックの流れを知る。

STEP3

実際の条項のチェックポイントを知る。

STEP4

完成された契約書を読む。

STEP5

自分で契約書を修正する。

STEP6

自分で契約書を作る。

という順番で進めます。

契約書作成は、

文章を書く仕事に見えます。

でも実際には、

取引を理解して、必要な権利義務を文章へ落とし込む仕事

です。

そのため、

文章力だけでは足りません。

法律知識だけでも足りません。

取引理解。

法律。

契約条項。

リスク。

実務。

を組み合わせる必要があります。

行政書士試験に合格しても契約書実務は別に勉強した方がいい

行政書士試験では、

民法。

行政法。

商法・会社法。

などを勉強します。

そのため、

法律をまったく知らない人より、契約書を学び始める土台はあります。

ただ、

試験問題を解く能力と、契約書を作る能力は別です。

たとえば、

民法の債務不履行を知っている。

損害賠償条項を適切に作れる。

とは限りません。

解除について知っている。

その取引に必要な解除事由を漏れなく設計できる。

とも限りません。

だから私は、

行政書士資格+契約書実務の勉強

が必要だと思っています。

契約書実務で必要になる4つの力

本を紹介する前に、

何を身につけるのか整理しておきます。

    1. STEP1
    2. STEP2
    3. STEP3
    4. STEP4
    5. STEP5
    6. STEP6
  1. 1.契約書を読む力
  2. 2.契約書の問題点を見つける力
  3. 3.修正案を作る力
  4. 4.ゼロから契約書を作る力
  5. なぜ1冊目なのか?
  6. 契約書の細かい実務まで知れる
  7. まずこの本を1周する
  8. リーガルチェックは「条文を読む」だけではない
  9. 2冊目に読む意味
  10. 契約書チェックは「見るポイント」を増やす必要がある
  11. 中小企業向けというのが行政書士と相性がいい
  12. 完成された契約書を「写経」してみる
  13. 条項を学ぶために使う
  14. 2020年刊なので法改正には注意する
  15. 第2版ではなく第3版を選ぶ
  16. 「わからないときに調べる本」として使う
  17. STEP1|全体像
  18. STEP2|リーガルチェックの流れ
  19. STEP3|チェックポイントを増やす
  20. STEP4|契約書を作る感覚を身につける
  21. STEP5|条項の意味を増やす
  22. STEP6|実務用リファレンス
    1. 知識を入れる
    2. 実際に作る
    3. フィードバックをもらう
  23. 契約書を初めて勉強する
  24. リーガルチェックの方法がわからない
  25. 何をチェックすればいいかわからない
  26. 契約書を自分で作ってみたい
  27. いろいろな条項・契約類型を学びたい
  28. 実務で調べるための本を1冊置きたい
  29. 行政書士試験に合格すれば契約書を作れる?
  30. 契約書の勉強は何から始める?
  31. ひな形を覚えれば契約書は作れる?
  32. 契約書チェックと作成ならどちらから勉強する?
  33. 本を何冊読めば実務ができる?
  34. AIだけで契約書を作れる?

1.契約書を読む力

まず、

何が書いてあるのか。

を理解する必要があります。

目的。

契約期間。

報酬。

納品。

検収。

解除。

損害賠償。

秘密保持。

知的財産。

裁判管轄。

など。

一つ一つの条項の意味を理解します。

2.契約書の問題点を見つける力

次に、

依頼者にとって不利な点

を発見します。

たとえば、

相手だけいつでも解除できる。

自社だけ無制限に損害賠償責任を負う。

検収条件が曖昧。

成果物の知的財産権がどうなるかわからない。

秘密保持期間が不適切。

などです。

3.修正案を作る力

問題を見つけても、

「これは危険です」

だけでは足りません。

では、

どう直すのか。

です。

削除する。

追加する。

文言を変える。

例外を入れる。

上限を設ける。

など、具体的な条文へ落とします。

4.ゼロから契約書を作る力

最終的には、

当事者から話を聞く。

取引内容を整理。

必要な条項を洗い出す。

契約書として組み立てる。

必要があります。

私は、

リーガルチェックより、ゼロから契約書を作る方が難しい

と感じています。

だからこそ、

まず他人が作った契約書を読む・直すところから始めるのがおすすめです。

1冊目|『企業法務1年目の教科書 契約書作成・レビューの実務』

最初におすすめしたいのが、

『企業法務1年目の教科書 契約書作成・レビューの実務』

です。

幅野直人弁護士の著書で、中央経済社から2024年に刊行されています。契約の基本から、契約書レビュー、締結時の留意点、契約書の構成、秘密保持契約・業務委託契約・取引基本契約の作成・レビューまで扱っています。

なぜ1冊目なのか?

理由は、

契約書実務全体の地図を作りやすいから

です。

契約とは?

契約書とは?

契約書を締結するまで何をする?

レビューはどう進める?

契約書には何を書く?

という、

「そもそも契約書実務とは何をする仕事なのか」

を最初に把握できます。

契約書業務を経験したことがない人が、

いきなり数百ページの専門書を読むと、

どこが重要なのかわからなくなる可能性があります。

まず、

契約書実務全体の流れ

を知る。

そのための1冊として使います。

契約書の細かい実務まで知れる

この本でいいと思うのは、

法律論だけではないところです。

たとえば、

契約書を締結するまでの流れ。

契約書レビューの進め方。

契約書の構成。

契約締結時の注意点。

など、

実際に仕事をするときに知りたいこと

まで扱っています。

行政書士試験の延長として法律書を読むだけでは身につきにくい部分です。

まずこの本を1周する

私は最初から全部覚える必要はないと思います。

まず、

「契約書実務ってこういう仕事なのか」

と全体を把握してください。

その後、実際に契約書を扱うようになったら何度も戻ればいいです。

2冊目|『契約書のリーガルチェック』

2冊目は、

『「流れ」と「やり方」全部見せます! 契約書のリーガルチェック』

です。

狩倉博之弁護士による書籍です。

この本は、

「実際に契約書が自分のところへ送られてきたら何をする?」

というところへ踏み込んでいきます。

元の記事でも2冊目として紹介していました。

この順番は今でも変えません。

リーガルチェックは「条文を読む」だけではない

初心者のころは、

契約書チェックというと、

上から順番に読んで、

法律違反がないか確認する。

というイメージを持つかもしれません。

でも実務では、

契約書案が来る。

取引内容を確認。

自分がどちら側なのか把握。

契約書全体を読む。

問題となる条項を確認。

修正案を作る。

修正理由を説明する。

という流れがあります。

この、

「契約書チェックを仕事としてどう進めるのか」

を具体化するために使います。

2冊目に読む意味

1冊目で、

契約書とは何か。

レビューとは何か。

を知る。

2冊目で、

「じゃあ実際にどうやるの?」

へ進みます。

この順番です。

3冊目|『実務必携 契約書チェックマニュアル』

3冊目は、

『実務必携 契約書チェックマニュアル』

です。

弁護士法人飛翔法律事務所編、商事法務から2024年12月に刊行された書籍で、契約書の基本、Q&A、各契約類型のチェックポイント、印紙税などを扱っています。

ここから、

実際の条項を見る練習

へ入っていきます。

契約書チェックは「見るポイント」を増やす必要がある

契約書初心者のうちは、

契約書を読んでも、

何が問題なのかわからない

ことがあります。

当然です。

経験者は、

損害賠償条項を見れば、

上限は?

対象損害は?

間接損害は?

故意・重過失は?

など、確認ポイントが頭に浮かびます。

初心者はそのチェックポイント自体をまだ知りません。

この本のようなチェックマニュアルを使い、

「この契約なら何を見るのか」

を増やしていきます。

ただ読むのではなく、自分で先にチェックしてみる

ここからは本の使い方も重要です。

掲載されている契約書を、

最初から解説を読む。

ではなく、

一度、

自分でチェックしてみる

ことをおすすめします。

たとえば、

  1. 契約書を読む
  2. 自分ならどこを修正するか考える
  3. Word等で修正案を作る
  4. 本の解説を見る
  5. 自分が見落としたポイントを確認

です。

これをやるだけで、

ただ本を読むのとはかなり違います。

資格試験と同じで、

契約書実務もアウトプットが重要

です。

4冊目|『トラブルを未然に防ぐ「中小企業の契約書」読み方・作り方・結び方』

4冊目は、

『トラブルを未然に防ぐ「中小企業の契約書」読み方・作り方・結び方』

です。

池田聡弁護士による2025年刊行の書籍で、契約書の基本から、下請法・フリーランス法、売買・不動産・金銭・工事・システム・業務委託・秘密保持など代表的な契約まで扱っています。

この本から、

「契約書を直す」から「契約書を作る」

へ少しずつ移ります。

中小企業向けというのが行政書士と相性がいい

行政書士が契約書業務を受ける場合、

大企業同士の巨大M&A契約。

数百億円規模の国際取引。

よりも、

中小企業。

個人事業主。

フリーランス。

などの比較的基本的な契約書から関わるケースも考えられます。

この本は、

中小企業の実務で出てきやすい契約

を理解する教材として使いやすいです。

完成された契約書を「写経」してみる

元の記事でもおすすめしていましたが、

この段階なら、

本に掲載されている契約書を参考に、

自分でWordに契約書を作ってみる

のもいいと思います。

単なるコピー&ペーストではありません。

第1条。

何を決めている?

第2条。

なぜ必要?

第3条。

この条項がなかったら何が起きる?

と考えながら作ります。

そうすると、

契約書の構造が見えてきます。

5冊目|『契約書のツボとコツがゼッタイにわかる本[第2版]』

5冊目は、

『契約書のツボとコツがゼッタイにわかる本[第2版]』

です。

萩原勇弁護士による書籍で、2020年施行の改正民法に対応した第2版。売買・金銭消費貸借・賃貸借・労働・業務委託などの契約書と条項解説を扱い、契約書ひな形のダウンロードも用意されています。

条項を学ぶために使う

この本は、

契約書のひな形+条文の解説

を見る教材として使います。

契約書作成で大切なのは、

ひな形そのものを覚えることではありません。

なぜ、

この条項が入っているのか。

です。

たとえば、

秘密保持条項。

損害賠償条項。

解除条項。

反社会的勢力排除条項。

合意管轄条項。

など。

契約書を何本も見ると、

いろいろな契約に共通する条項

が見えてきます。

2020年刊なので法改正には注意する

この本は第2版が2020年刊行です。

契約書実務では、

民法だけではなく、

下請法。

フリーランス法。

個人情報保護。

業界ごとの法律。

なども関係します。

そのため、

条項の考え方を学ぶ本として使い、実際に依頼者へ納品する契約書では必ず現在の法令を確認する

ことが重要です。

これはこの本だけではなく、

契約書ひな形全般に言えることです。

6冊目|『契約書作成の実務と書式 第3版』

最後は、

『契約書作成の実務と書式 第3版』

です。

阿部・井窪・片山法律事務所編、有斐閣から2025年8月に刊行された736ページの実務書です。売買、賃貸借、業務委託、M&A、AI開発、ソフトウェア開発、知的財産、秘密保持、基本合意書、共通条項など幅広い契約類型を扱っています。

これは、

最初から全部読む本というより、事務所へ置いておく参考書

という位置付けです。

元の記事でも「おまけ」として紹介していました。

今なら、

おまけというより、

契約書業務を本格的に扱うなら最後に持っておきたい実務書

とします。

第2版ではなく第3版を選ぶ

ここは2026年の記事として重要です。

2019年刊の第2版もありますが、現在は、

2025年刊の第3版

が出ています。

これから買うなら第3版でいいでしょう。

第3版ではAI開発契約など現在の企業実務で重要性が高まっている契約類型も扱われています。

「わからないときに調べる本」として使う

たとえば、

業務委託契約を作る。

業務委託の章を見る。

秘密保持が重要。

秘密保持契約を見る。

知的財産が問題。

知財契約を見る。

というように、

辞書・リファレンス的に使う

イメージです。

初心者が最初から736ページを全部覚える必要はありません。

6冊を読むおすすめの順番

改めてまとめます。

STEP1|全体像

『企業法務1年目の教科書 契約書作成・レビューの実務』

契約書実務とは何かを知る。

STEP2|リーガルチェックの流れ

『契約書のリーガルチェック』

実際のチェック手順を知る。

STEP3|チェックポイントを増やす

『実務必携 契約書チェックマニュアル』

契約類型・条項ごとの見るポイントを覚える。

STEP4|契約書を作る感覚を身につける

『トラブルを未然に防ぐ「中小企業の契約書」』

完成した契約書を読み、自分でも作ってみる。

STEP5|条項の意味を増やす

『契約書のツボとコツがゼッタイにわかる本[第2版]』

さまざまな条文・契約類型へ触れる。

STEP6|実務用リファレンス

『契約書作成の実務と書式 第3版』

実案件で困ったときに調べる。

という流れです。

本を読むだけで契約書実務ができるようになる?

ここは元記事から一番修正したいところです。

元の記事では、

「この順番で読めば実務に耐えうる知識を身につけられる」

とかなり強く書いていました。

現在の私は、

本を読むだけで契約書実務ができるようになるとは考えません。

本は、

知識。

考え方。

チェックポイント。

を教えてくれます。

しかし実際の依頼では、

依頼者ごとに事情が違います。

たとえば業務委託契約でも、

Web制作。

コンサルティング。

システム開発。

営業代行。

デザイン。

運送。

では、取引内容が全然違います。

当然、

必要な条項も変わります。

契約書は「ひな形を埋める仕事」ではない

契約書業務で一番避けたいのが、

インターネットからひな形を取得。

会社名を変更。

金額を変更。

完成。

です。

もちろん、

ひな形を参考にすること自体は普通

です。

私も参考にします。

問題なのは、

「なぜその条項があるのか」

を理解せず使うことです。

契約書は、

当事者の取引内容を文章にするもの

です。

だから、

同じ「業務委託契約書」というタイトルでも中身は変わります。

契約書作成の練習方法1|ひな形をリーガルチェックする

本を数冊読んだら、

実際に練習してください。

まず簡単なのは、

既存の契約書をチェックする

ことです。

たとえば、

秘密保持契約。

業務委託契約。

売買契約。

など。

契約書を開いて、

自分が甲ならどう?

乙ならどう?

と両方の立場から確認します。

同じ条項でも、

立場によって評価が変わることがあります。

練習方法2|契約書の修正案をWordで作る

問題点を見つけたら、

実際に、

修正案

を作ります。

赤字。

変更履歴。

コメント。

などを使って、

「ここをこう直す」

までやります。

これは企業法務でも使う実践的な練習です。

契約書を読んで、

「ここ危ないな」

で終わるのではなく、

どう直せばいいのか

まで考えます。

練習方法3|自分でゼロから作ってみる

次に、

条件だけ設定します。

たとえば、

Web制作会社A。

会社Bのホームページを50万円で制作。

納期3か月。

納品後に検収。

著作権の取扱いを定める。

秘密情報あり。

という事例を自分で作る。

そして、

ゼロから業務委託契約書を作ってみます。

その後、

実務書のひな形と比べます。

「この条項を忘れていた」

「ここのリスクを考えていなかった」

という発見があります。

かなり勉強になります。

練習方法4|なぜこの条項が必要なのか説明する

私はこれが重要だと思います。

契約書に、

損害賠償。

解除。

秘密保持。

反社会的勢力。

合意管轄。

と書いてある。

ではなく、

依頼者に説明できるか。

です。

「なぜこの条項を入れるんですか?」

と聞かれたとき、

「ひな形に書いてあるから」

では専門家として弱いです。

この条項は、

何のリスクに備えているのか。

この文章にすると、

誰にどんな権利が発生するのか。

を説明できる状態を目指します。

AIで契約書を勉強するのはあり?

2026年現在なら、

AIを契約書学習へ使う方法もあります。

私は、

勉強用の壁打ちとしてはかなり使える

と思います。

たとえば、

「この条項はどちら側に有利?」

「この条項がなかったら何が起こる?」

「乙側として問題点を挙げて」

「別の修正文案を3案出して」

と質問できます。

ただし、

AIが出した契約書をそのまま依頼者へ納品する

という使い方はおすすめしません。

AIは誤った法律説明をする可能性もあります。

古い法令を前提にする可能性もあります。

取引の事情を十分に理解していないこともあります。

AIは、

調査。

比較。

アイデア出し。

練習。

には使う。

最終的には、

専門家である自分が法令・契約内容を確認して責任を持つ

必要があります。

契約書実務では民法だけでなく個別法も確認する

契約書を勉強すると、

どうしても民法中心になりがちです。

でも実際には、

取引によって、

会社法。

著作権法。

個人情報保護法。

消費者契約法。

フリーランス法。

下請法。

労働関係法令。

業法。

など、さまざまな法律が関係します。

2025年刊の『トラブルを未然に防ぐ「中小企業の契約書」』も、フリーランス法などを扱っています。

つまり、

契約書実務=民法だけ

ではありません。

案件ごとに、

「この取引には何の法律が関係する?」

と考える癖をつけることが重要です。

行政書士にはできる業務範囲の確認も必要

行政書士が契約書業務を行う場合には、

行政書士として扱える業務の範囲

も理解しておく必要があります。

日本行政書士会連合会は、行政書士について、権利義務に関する書類や契約書等を作成する専門家と案内しています。

一方、

契約書に関する仕事なら何でも行政書士が対応できる、

という意味ではありません。

案件の内容。

紛争性。

他士業法との関係。

などによって対応できる範囲を判断する必要があります。

この点については、行政書士にできる契約書の作成・チェックの範囲とはで詳しく整理しています。

私が企業法務経験者として思う「本以上に重要なこと」

私は行政書士になる前に企業法務で働きました。

実際に契約書を扱って感じたのは、

契約書は数をこなすことで見えるものが増えていく

ということです。

最初は、

損害賠償。

解除。

秘密保持。

くらいしか気づかなかった。

でも、

何十件。

何百件。

と契約書を見る。

「この書き方は危ない」

「この業界だとここが揉めやすい」

「相手側からこの修正が来ることが多い」

「この条件ならこの条項も必要」

というように、

少しずつ見るポイントが増えます。

契約書実務は、

本を読んで完成する技能ではなく、本+実践で積み上げる技能

だと思います。

企業法務の仕事そのものについては、法務部は激務できつい?上場企業法務で働いて感じた7つの大変さでも実体験を書いています。

最初に全部の契約書を扱おうとしない

行政書士として契約書業務を始めるなら、

いきなり、

M&A契約。

国際契約。

複雑なIT開発契約。

投資契約。

ライセンス契約。

など、難易度の高い契約まで全部対応する必要はありません。

まず、

秘密保持契約。

一般的な業務委託契約。

売買契約。

など、

自分が理解できる契約類型から経験を積む

方がいいと思います。

そして、

難しい。

高額。

特殊。

紛争の可能性が高い。

という案件なら、

適切な専門家への相談・連携も検討します。

「何でも受ける」

ことより、

自分が責任を持って扱える範囲を理解する

方が重要です。

契約書実務の勉強に高額セミナーは必要?

元の記事では、

「高額なセミナーを受けるより、本を読んだ方がコスパがいい」

とかなり強く書いていました。

今なら、

そこも少し修正します。

本でかなり勉強できます。

特に今回紹介した本だけでも、

契約書の基本。

レビュー。

契約類型。

条項。

作成。

まで幅広く学べます。

だから、

最初から高額な研修へ申し込む必要はない

とは思います。

一方、

講師へ質問できる。

実際の契約書を添削してもらえる。

自分の修正案にフィードバックをもらえる。

という研修なら、

本では得にくい価値があります。

つまり、

知識を入れる

本。

実際に作る

自習・実務。

フィードバックをもらう

研修・先輩・弁護士等。

という使い分けです。

行政書士の契約書実務におすすめの本|目的別

最後に目的別でも整理します。

契約書を初めて勉強する

『企業法務1年目の教科書 契約書作成・レビューの実務』

リーガルチェックの方法がわからない

『契約書のリーガルチェック』

何をチェックすればいいかわからない

『実務必携 契約書チェックマニュアル』

契約書を自分で作ってみたい

『トラブルを未然に防ぐ「中小企業の契約書」』

いろいろな条項・契約類型を学びたい

『契約書のツボとコツがゼッタイにわかる本[第2版]』

実務で調べるための本を1冊置きたい

『契約書作成の実務と書式 第3版』

です。

よくある質問

行政書士試験に合格すれば契約書を作れる?

行政書士試験で法律の基礎は学びますが、契約書作成・レビューの実務は別途勉強した方がいいと思います。

契約書の勉強は何から始める?

まず、

契約書とは何か、レビューとは何か

という全体像から始めることをおすすめします。

その後、

リーガルチェック。

条項。

契約書作成。

と進めます。

ひな形を覚えれば契約書は作れる?

おすすめしません。

ひな形は参考になりますが、依頼者・取引ごとに必要な条項は変わります。

なぜその条項が必要なのか

を理解して使うことが重要です。

契約書チェックと作成ならどちらから勉強する?

私は、

チェックから

をおすすめします。

既存契約を読んで、

問題を見つける。

修正する。

その後ゼロから作る。

の方が入りやすいです。

本を何冊読めば実務ができる?

冊数では決まりません。

今回紹介した本で基礎を学んだら、

実際の契約書をチェック。

修正。

作成。

する練習が必要です。

AIだけで契約書を作れる?

たたき台や勉強には使えます。

ただし専門家が依頼者へ納品する契約書なら、AI出力をそのまま使うのではなく、自分で法律・取引内容・条項を確認する必要があります。

まとめ|本を読むだけではなく、実際に契約書を作ってみよう

行政書士が契約書作成・チェックを勉強するために、私がおすすめする本は、

  1. 『企業法務1年目の教科書 契約書作成・レビューの実務』
  2. 『契約書のリーガルチェック』
  3. 『実務必携 契約書チェックマニュアル』
  4. 『トラブルを未然に防ぐ「中小企業の契約書」読み方・作り方・結び方』
  5. 『契約書のツボとコツがゼッタイにわかる本[第2版]』
  6. 『契約書作成の実務と書式 第3版』

です。

そして、

本を読む順番は、

基本

リーガルチェック

チェックポイント

契約書作成

条項の理解

専門的な実務書

と進めます。

元の記事では、

「今回紹介する本を順番に読めば、実務に耐えうる知識と経験が身につく」

とかなり強く書いていました。

今なら、

そこは修正します。

本を6冊読んでも、

それだけで契約書実務のプロにはなりません。

でも、

実務へ入るための知識と練習材料はかなり揃えられます。

本を読む。

実際の契約書を見る。

問題点を考える。

修正案を書く。

解説と比較する。

ゼロから契約書を作る。

わからないところを実務書で調べる。

この繰り返しです。

私自身、

企業法務で実際に契約書を扱った経験から、

契約書実務は、

「知っている条項の数」だけで決まる仕事ではない

と思っています。

その取引で、

何が起きる可能性があるのか。

誰が何をするのか。

できなかったらどうするのか。

いつまで契約するのか。

お金はいつ払うのか。

成果物は誰のものになるのか。

トラブルになったらどうするのか。

こうしたことを一つずつ考えて、

当事者の合意を文章として設計する。

それが契約書作成です。

だからこそ、

行政書士として契約書業務をやりたいなら、

資格試験の知識だけで終わらせず、

本で学び、実際に契約書を書いてみる。

まずはそこから始めてみてください。

※本ブログはフリューゲル行政書士事務所が運営しております。

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