※本ブログはフリューゲル行政書士事務所が運営しております。
行政書士として開業する前は、
「実務をもっと勉強しておいた方がいいのではないか」
「開業前に人脈を作っておいた方がいいのではないか」
「高額な実務講座や開業講座を受けた方がいいのではないか」
など、いろいろな不安があると思います。
私自身、実際に行政書士として開業してから、「開業前にもっとやっておけばよかったことは何だろう」と改めて考えてみました。
しかし、意外なことに**「これをやっておけばよかった」と強く後悔していることは、ほとんどありません。**
なぜだろうと考えてみると、私は開業前から、ホームページ運営やSEO、会計、企業法務など、独立後に必要となる知識や経験をある程度持っていました。
だからこそ、開業後にすべてをゼロから覚える必要がなかったのだと思います。
この記事では、実際に行政書士として独立した経験から、開業前に身につけておいて役立った知識やスキル、開業前に準備しておきたいこと、逆に開業後に身につけていけばいいと感じたことについて紹介します。
開業してみて「もっと準備しておけばよかった」とは思わなかった
行政書士として開業する前に、すべての準備を完璧にすることは難しいと思います。
そもそも開業してみなければ、どんな相談が来るのか分かりません。
私自身、開業当初に想定していた業務と、実際に依頼が増えていった業務は必ずしも同じではありませんでした。
そのため、今振り返っても、
「開業前にあらゆる行政書士実務を勉強しておけばよかった」
とはあまり思いません。
一方で、開業前から持っていた知識や経験の中には、実際に独立してみて「これは身につけておいてよかった」と感じたものがあります。
それは行政書士業務そのものの知識だけではありません。
むしろ、仕事を獲得すること、商品となるサービスを持つこと、事業を運営すること、実際に動いて仕事をすることを支える能力が役立ちました。
行政書士開業前から持っていて役立った5つのもの
1.ホームページに関する知識
私が開業前から持っていて役立ったものの一つが、ホームページに関する知識です。
私は行政書士として開業する前から「学んではたらくチャンネル」というWebサイトを運営していました。
そのため、ホームページがどのような仕組みで成り立っているのか、どのようなページを作るのか、記事をどう増やしていくのかといった基本的なことは理解していました。
なお、現在の行政書士事務所のホームページについては、制作作業そのものは友人にお願いしています。
それでも、ホームページについてある程度の知識を持っていたことは大きな強みになりました。
自分で制作作業をしなくても、
「どのようなページが必要なのか」
「どんな記事を書くのか」
「サイトをどのような方向に育てていくのか」
といったことを自分で考えられるからです。
行政書士が自分でホームページを一から制作できる必要はないと思います。
しかし、ホームページを集客や信用につなげていくのであれば、自分の事務所のホームページがどのような役割を持ち、どう育てていくのかを考えられる程度の知識は持っていて損はありません。
2.SEO・MEOの知識
ホームページは作っただけでは、なかなか仕事につながりません。
まずは見つけてもらう必要があります。
私は「学んではたらくチャンネル」の運営を通じてSEOを学び、SEO検定の勉強もしていました。
その経験は、行政書士事務所のWeb集客を考えるうえでも役立っています。
また、行政書士は地域と結びついた仕事も多いため、Googleビジネスプロフィールを利用したMEOも重要だと感じています。
開業してからホームページ、SEO、MEOについてすべてゼロから勉強するとなると、それだけでもかなりの負担になります。
少なくとも、
「ホームページを作ったあと、どうやって見つけてもらうのか」
という基本的な考え方は、開業前に知っておいて損はないと思います。
もちろん、最初からSEOやMEOに詳しくなる必要はありません。
しかし、何も知らない状態と、基本的な仕組みを理解している状態では、開業後の動き方はかなり変わってくると思います。
3.自分から売ることのできる専門分野
行政書士登録をすれば、行政書士にはなれます。
しかし、行政書士になっただけでは、
「自分は何を商品として提供するのか」
という問題は解決しません。
私の場合は、行政書士になる前に企業法務で働いていた経験がありました。
そのため、開業当初から契約書の作成やチェックなど、契約法務については自分から提供できるサービスとして考えることができました。
これは非常に大きかったと思います。
企業法務で働いた経験と、行政書士として実際に仕事をすることの違いについては、こちらの記事でも詳しく書いています。
企業法務経験者が行政書士として開業して感じた「会社員法務」との違い
開業前から行政書士業務を何でもできる必要はありません。
しかし、少なくとも一つ、
「まず自分はこれを売る」
と言えるものがあると、開業後に動きやすくなります。
それは必ずしも私のような企業法務経験である必要はありません。
これまでの職歴や経験、得意分野などから、自分が行政書士として提供できる価値を考えておくことが重要だと思います。
4.会計の基礎知識
行政書士として独立すると、行政書士であると同時に個人事業主になります。
当然、日々の経理処理も必要になります。
売上や経費を記録し、最終的には確定申告もしなければなりません。
たとえば「減価償却」と言われても、会計の知識がまったくなければ、そもそも何の話をしているのか分からないかもしれません。
私は開業前から会計の基礎知識があったため、日常の経理処理や確定申告について、まったくのゼロから勉強する必要はありませんでした。
だからといって、開業前に高度な会計知識を身につける必要があるとは思いません。
基礎的な部分であれば、簿記の資格を勉強することでも学べます。
行政書士としての実務だけでなく、自分で事業を運営するための最低限の数字の知識も持っておくと、開業後はかなり楽になると思います。
5.運転免許と車
意外と重要だと思うのが、運転免許と車です。
これは自動車関係の業務をする行政書士だけの話ではありません。
行政書士は業務によって、役所や警察署などへ出向くことがあります。
一日に複数の場所を回ることもありますし、公共交通機関では行きにくい場所へ行くこともあります。
そのため、車を運転できることは、行政書士としての機動力につながります。
もちろん、地域や取り扱う業務によっては、車がなくても十分に仕事はできると思います。
それでも、移動できる範囲や仕事の選択肢を広げるという意味では、運転免許と車は持っていてよかったと感じています。
行政書士実務はどこまで勉強してから開業するべきか
これは難しいところです。
開業前に何も勉強しなくていいとは思いません。
まずは、自分が最初にやりたい業務を中心に勉強しておくのがいいと思います。
こちらから営業する以上、「何を売るのか」は必要だからです。
しかし、開業前にあらゆる行政書士業務を勉強して、何でもできる状態を作ろうとする必要はないと思います。
私自身、開業してから古物商許可や自動車関係の業務など、必要になった分野を勉強してきました。
実際に開業すると、自分が想定していなかった相談が来ることがあります。
そのときに、
相談が来た業務について必死に勉強する。
そして、対応できる業務を一つずつ増やしていく。
私はそのような形でいいと思っています。
最初に売るものは用意する。
しかし、それだけにとらわれない。
実際に来た相談や需要に合わせて、自分の業務を広げていくことも大切です。
なお、行政書士試験で勉強した知識と、実際の行政書士実務との違いについては、こちらの記事で詳しく書いています。
行政書士試験の知識は実務で役立つ?開業して実際に感じた試験と実務の違い
開業前に焦って人脈を作る必要はないと思う
行政書士の開業準備について調べると、「開業前から人脈を作っておいた方がいい」という話を見かけることがあります。
しかし、私は開業前に焦って人脈を広げる必要はないと思っています。
理由の一つは、まだ開業していない状態では、せっかく知り合っても、
「まだ開業前なのか。それなら今はいいか」
となってしまう可能性があるからです。
せっかく作った接点を、仕事ができない状態で使ってしまうことにもなりかねません。
開業後であれば、
「行政書士としてこういう仕事をしています」
「こういう相談なら対応できます」
と具体的な話ができます。
人脈は、行政書士として実際に仕事ができる状態になってから広げても遅くないと私は考えています。
もう一つ注意したいのが、開業前の人は自分自身が営業対象になりやすいことです。
これから事務所を立ち上げる人には、ホームページ、広告、マーケティング、コンサルティング、実務講座など、さまざまなサービスを提案しやすいからです。
開業への不安が大きい時期だからこそ、本当に必要なものなのかを冷静に考えた方がいいと思います。
高額なマーケティング会社や実務講座は必要なかった
私自身の経験からいえば、開業するために高額なマーケティング会社と契約する必要はないと思います。
同じように、高額な実務講座を受講しなければ行政書士として仕事ができないとも思いません。
もちろん、お金を払って学ぶこと自体を否定するつもりはありません。
自分で調べる時間を短縮できることもありますし、自分に合った教材や講座にお金を使うことには意味があると思います。
ただ、行政書士として開業するときに最初にやることは、それほど謎に包まれたものではありません。
行政書士として開業する前にやっておきたいこと
私が考える開業前の準備を整理すると、主に次のようなものです。
- 事務所運営に必要なものをそろえる
- 行政書士会への登録手続きを進める
- ホームページを開設し、SEO・MEO対策を始める
- 名刺やチラシ、営業先リストなどリアル営業の準備をする
- 最初に扱いたい業務を勉強する
- 事業運営に必要な会計の基礎を学ぶ
もちろん、細かく見ればほかにも準備することはあります。
しかし、最初の一歩については、本や比較的安価な講座などでも十分に学ぶことができます。
会計についても、たとえば簿記を勉強するという方法があります。
ホームページやSEOについても、本やWeb上の情報などから基礎を学ぶことはできます。
実務についても、まず自分が扱いたい業務から勉強を始めればいいと思います。
開業前の不安をなくすためだけに、高額なサービスを次々と契約する必要はありません。
何にお金を使うのかは、自分に本当に足りないものを考えてから決めればいいと思います。
完璧になるまで待つより、開業できるなら早く開業した方がいい
開業前に準備することは大切です。
しかし、すべてを完璧にしてから開業しようとすると、いつまでたっても開業できません。
そもそも、開業しなければ何をやればいいのか分からないこともあります。
実際に行政書士として活動する。
相談を受ける。
分からないことが出てくる。
必要なことを勉強する。
また新しい相談を受ける。
こうした経験を繰り返すことで、少しずつ行政書士としてできることが増えていきます。
人脈についても同じです。
行政書士として開業しているからこそ出会える人や、得られる仕事があります。
「もっと実務を勉強してから」
「もっと人脈を作ってから」
「もっと集客を勉強してから」
と準備を続けることにも意味はあります。
しかし、実際に開業しなければ得られない経験もあります。
最低限の準備ができていて、開業できる状況なのであれば、実際に開業してしまった方が得られるものは多い。
私が開業1年目にどのような仕事を受け、どのように営業し、何に失敗したのかについては、こちらの記事にまとめています。
行政書士開業1年目のリアル|仕事・売上・営業・失敗を振り返る
開業前にいくら考えても分からなかったことが、実際に開業して仕事をすることで見えてきました。
だからこそ私は、最低限の準備ができているのであれば、開業後の経験から学んでいくことも大切だと考えています。
まとめ|開業前に必要なのは「完璧な行政書士になること」ではない
行政書士として開業した今、改めて「開業前にもっとやっておけばよかったこと」を考えてみても、私にはそれほど大きな後悔はありません。
振り返ってみると、それは開業前から、
ホームページに関する知識、SEO・MEOの知識、自分から売ることのできる専門分野、会計の基礎知識、そして実際に動くための運転環境
など、独立後に必要となる土台をある程度持っていたからだと思います。
もちろん、行政書士実務の勉強も必要です。
しかし、最初からすべての業務をできるようにする必要はありません。
まずは自分がやりたい業務を勉強し、自分から売ることのできるものを一つ作っておく。
そして開業したら、そこだけにとらわれず、実際に寄せられた相談や需要に合わせて新しい業務を勉強していく。
その繰り返しでいいと思います。
開業前に完璧な行政書士になる必要はありません。
最低限の土台を作ったら、開業できるのであれば開業する。
そして行政書士として実際に活動しながら、自分に足りないものを知り、必要な知識や経験を身につけていく。
私自身は、その順番でよかったと感じています。
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