未経験で企業法務に転職して1年目に苦労したこと|実際に身につけた仕事・法律・スキル

企業法務物語

※本ブログはフリューゲル行政書士事務所が運営しております。

私は行政書士試験に合格した後、未経験から企業法務へ転職しました。

行政書士試験に合格していたので、法律についてまったく知識がなかったわけではありません。

しかし、実際に企業法務の仕事を始めてみると、

「何にもわからない。きつい(笑)」

というのが最初の感想でした。

契約書を渡されても、どこを見ればいいのか。

何が問題なのか。

自社にとって不利な内容とは何なのか。

問題があったら、どう修正すればいいのか。

試験で法律を勉強することと、会社の中で法務担当者として仕事をすることは、やはり別物です。

それでも、上司に教えてもらいながら自分でも勉強を続け、1年ほど経つ頃には契約書チェックについては一人で対応できるようになっていました。

この記事では、未経験で企業法務に転職した私が、最初の1年間で苦労したこと、実際に担当した仕事、勉強したこと、そして身についたスキルについて振り返ります。

なお、私が行政書士試験合格後、どのように未経験から企業法務へ転職したのかについては、以下の記事で詳しく紹介しています。

関連記事: 行政書士合格後に未経験から企業法務へ転職した方法|上場企業に入った実体験

未経験で企業法務に入って最初に感じたのは「何もわからない」だった

私が企業法務に入って最初に担当したのは、総務の仕事を手伝いながらの契約書チェックでした。

しかし、最初は契約書を見ても本当に何もわかりませんでした。

もちろん、行政書士試験に合格しているので、民法をはじめとした法律の基礎知識はあります。

それでも、法律を知っていることと、契約書をチェックできることは別です。

契約書のどこを見るのか。

どんな条項が必要なのか。

その条項にはどんな意味があるのか。

自社に不利な内容になっていないか。

問題がある場合、どのように修正するのか。

こうした実務については、企業法務に入ってから覚えていくことになりました。

最初の頃は、部長にマンツーマンで教えてもらっていました。

総論的な部分から教えてもらい、そこから少しずつ各論へ入っていくような形です。

ただし、当然ながら、会社で教えてもらうだけでは足りません。

企業法務として仕事ができるようになるためには、自分でも勉強する必要がありました。

企業法務1年目で最も力を入れて勉強したのは契約書

私が企業法務として働き始めてから、特に力を入れて勉強したのが契約書です。

私にとって、契約書は法務の「一丁目一番地」の業務だと思っています。

契約書については、仕事でわからないことが出てきてから調べるだけではなく、先回りして勉強していました。

まずは契約書についての一般的な知識。

そして、それぞれの契約にはどのような条文が必要なのか。

さらに、その条文にはどのような意味があるのか。

こうしたことを体系的に勉強していきました。

勉強には、本や雑誌だけでなく、無料・有料のセミナーなども利用しました。

上司から教えてもらうことも非常に重要でしたが、振り返ってみると、契約書チェックができるようになるうえで大きかったのは自分自身で勉強を続けたことだったと思います。

その結果、企業法務に入ったばかりの頃には何もわからなかった契約書チェックも、1年ほど経つ頃には一人で対応できるようになっていました。

行政書士試験で勉強した法律知識と実際の実務との違いについては、こちらの記事でも詳しく書いています。

関連記事: 行政書士試験の知識は実務で役立つ?開業して実際に感じた試験と実務の違い

契約書だけではない|自社のビジネスに関係する法律も覚えていった

企業法務の仕事は、契約書だけではありません。

私は人材系の会社で働いていたため、次第にコンプライアンス関係の仕事も担当するようになりました。

また、

  • 労務
  • 労働者派遣事業の許可関係
  • 職業紹介事業の許可関係

など、自社のビジネスに直接関係する分野も扱うようになりました。

ここで実感したのが、企業法務で必要になる法律は、その会社がどのような事業をしているかによって変わるということです。

企業法務へ入る前に、仕事で必要になる法律をすべて覚えておくことなど現実的ではありません。

一方で、実際に法務担当者として働く以上、自社のビジネスに関係する法律については、しっかり理解していかなければなりません。

私自身も、実際の仕事に合わせながら少しずつ扱える分野を広げていきました。

契約法務とコンプライアンスでは「法律の使い方」が違った

実際に仕事をしていて面白いと感じたのが、契約法務とコンプライアンスでは、同じ法律を扱う仕事でも感覚が少し違うことです。

私の感覚では、

契約書では法律を「駆使する」。

一方で、

コンプライアンスでは法律を「遵守する」。

そんな違いがあります。

契約書では、法律や契約に関する知識を使いながら、取引条件を確認したり、リスクを考えたり、必要に応じて条項を修正したりします。

これに対してコンプライアンスでは、法律で定められているルールを正確に理解し、そのルールを会社として守らなければなりません。

そして、実際に企業法務をやっていると難しいのが、会社がやりたいビジネスを法律の枠の中に収めることです。

会社には「こういうことをやりたい」というビジネス上の目的があります。

法務の仕事は、それを何でも否定することではありません。

しかし、法律で許されていないことまで「ビジネスだから」と認めることもできません。

事業を理解しながら、法律の枠から外れないようにする。

この感覚は、法律を勉強しているだけではなかなかわからず、実際に企業法務として働く中で身につけていったものだと思います。

企業法務では法律知識だけでは足りなかった

企業法務として働くうえで必要だったのは、法律の知識だけではありません。

実際には、

  • 調査する力
  • 文章を書く力
  • 相手に説明する力
  • 社内の人とコミュニケーションを取る力
  • 外部の専門家とやり取りする力

など、さまざまな能力が必要でした。

顧問弁護士とのやり取りも、その一つです。

記憶では、1年目の頃から顧問弁護士とのやり取りもしていたと思います。

今となっては普通のことですが、企業法務に入ったばかりの頃は、顧問弁護士とやり取りをするだけでも緊張したものです。

企業法務では、法律を知っていれば自分一人ですべてを判断できるわけではありません。

必要に応じて専門家へ相談し、その回答を理解して社内の仕事につなげていくことも法務の仕事です。

そして何より、法律だけを見るのではなく、自社のビジネスを理解することが必要でした。

企業法務の勉強に資格試験も活用した

企業法務として必要な知識を増やすために、私は資格試験も勉強に活用しました。

たとえば、

  • 著作権検定上級
  • 個人情報保護士
  • ITパスポート

などです。

もちろん、資格を取れば企業法務の仕事ができるようになるわけではありません。

ただ、資格試験には、ある分野について必要な知識を体系的に勉強できるというメリットがあります。

企業法務では、契約だけではなく、個人情報や知的財産、ITなど、さまざまな知識が必要になることがあります。

そのため私は、本、雑誌、セミナー、資格試験など、使えるものを使いながら知識を増やしていきました。

一つの勉強方法だけに頼るのではなく、必要な知識に応じて勉強方法を変えていくことも大切だと思います。

1年目で一人でできるようになったのは契約書チェックだった

企業法務として働き始めて1年ほど経った頃。

自分で「一人でできるようになった」と思えた仕事は、やはり契約書チェックでした。

入社したばかりの頃は、契約書を見てもどこを確認すればいいのかわからない。

部長にマンツーマンで教えてもらう。

自分でも契約書について勉強する。

実際の契約書を何度もチェックする。

そうした経験を積み重ねた結果、少しずつ自分で判断できるようになっていきました。

一方で、コンプライアンスや労務、許認可などについては、1年目の時点ではまだ半人前だったと思います。

1年間働いたから企業法務の仕事をすべてできるようになったわけではありません。

それでも、一つの仕事を自分でできるようになり、そこから少しずつ扱える仕事を広げていく。

私の企業法務1年目は、そんな1年間でした。

企業法務1年目で「ビジネス戦闘力」が上がった

企業法務1年目を振り返って、自分の中で一番大きく変わったものは何か。

今考えると、「ビジネス戦闘力」が上がったのだと思います。

法律の知識だけではありません。

契約書を読む。

問題点を探す。

必要なことを調べる。

文章を書く。

人に説明する。

社内の人と話す。

顧問弁護士などの専門家とやり取りする。

自社のビジネスを理解する。

そして、そのビジネスと法律を結びつけて考える。

企業法務として働いたことで、こうした能力を総合的に使う機会が増えました。

何か一つの専門知識だけが伸びたというより、仕事をするうえで必要になる総合力そのものが鍛えられたという感覚の方が近いです。

この企業法務での経験は、その後、行政書士として独立してからも活きています。

企業法務と行政書士では同じ法務でも仕事の性質がかなり違います。その違いについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。

関連記事: 企業法務経験者が行政書士として開業して感じた「会社員法務」との違い

まとめ|企業法務1年目は「仕事をしながら学ぶ」1年間だった

未経験から企業法務へ転職した私にとって、最初の1年間は覚えることばかりでした。

特に最初は、実際の企業法務の仕事をどう進めればいいのかがわかりませんでした。

その中でも、まず力を入れたのが契約書です。

私にとって、契約書は法務の一丁目一番地の業務です。

上司から教えてもらうだけではなく、本や雑誌、セミナーなどを利用して自分でも勉強し、1年ほど経つ頃には契約書チェックなら一人でできるようになりました。

そこからコンプライアンス、労務、派遣業や職業紹介業の許可など、自社のビジネスに必要な分野へ少しずつ仕事を広げていきました。

企業法務として採用される以上、法律について一定の知識や素養は当然必要です。

しかし、入社する前から、その会社の企業法務で必要になる法律や実務をすべて理解しておくことは現実的ではありません。

実際の仕事をしながら必要なことを学び、自分でも勉強を続ける。

その繰り返しで少しずつできる仕事が増えていきます。

そして振り返ってみれば、企業法務1年目で得た一番大きなものは、特定の法律知識だけではありませんでした。

法律、契約、調査、文章、コミュニケーション、ビジネスへの理解。

それらを組み合わせて仕事をする「総合力」。

言い換えれば、私にとって企業法務1年目は、ビジネス戦闘力を大きく上げる1年間だったと思います。

※本ブログはフリューゲル行政書士事務所が運営しております。

タイトルとURLをコピーしました