※本ブログはフリューゲル行政書士事務所が運営しております。
「行政書士試験に合格したけれど、就職に活かせるのだろうか」
「法務未経験でも企業法務に転職できる?」
「職歴に自信がなくても、行政書士試験合格をきっかけにキャリアを作れる?」
行政書士試験に合格した後、このようなことを考える人もいると思います。
私は行政書士試験に合格した後、未経験から企業法務への転職活動を行い、最終的に上場企業の法務職に入りました。
当時の私は、企業法務の実務経験がありませんでした。
それどころか、大学卒業後に新卒で入った会社を短期間で退職し、その後は長くフリーターのような働き方をしていたため、職歴にも自信がありませんでした。
それでも、実際に転職活動をしてみると、書類選考は思っていた以上に通過しました。
最初は面接で苦戦しましたが、転職活動を続ける中で、自分の経歴を一つのストーリーとして説明できるようになり、最終的に企業法務へ転職することができました。
この記事では、
- なぜ行政書士事務所ではなく企業法務を選んだのか
- 法務未経験でどのように求人を探したのか
- 行政書士試験合格は採用でどう評価されたのか
- 職歴をどう説明したのか
- 面接で何を変えたのか
- 未経験者は最初の会社をどう選べばいいのか
など、私自身の転職活動をもとに紹介します。
- 結論|行政書士合格・法務未経験でも企業法務への転職はできた
- なぜ行政書士事務所ではなく「企業法務」を選んだのか
- 最初は「自分が企業法務に入れるのか」すら分からなかった
- 求人は「行政書士」ではなく「法務+未経験可」で探した
- 書類選考は、思っていたより通過した
- 最初は面接をなかなか通過できなかった
- 転機は「すべての点を線でつなげられるようになったこと」
- 職歴は見られる。でも「説明できれば終わりではない」
- 行政書士試験の評価は、面接官によって違った
- 行政書士試験と企業法務実務は別物
- 転職エージェントにも登録した。ただし断られた会社もある
- 最初の会社では「企業法務経験を作ること」を最優先にした
- 「最初の一社」と「その後のキャリア」は分けて考えていい
- 企業法務経験は、その後行政書士として独立した今にもつながっている
- 未経験から企業法務を目指す人に伝えたいこと
- まとめ|まず「企業法務経験」を作るところから始めればいい
結論|行政書士合格・法務未経験でも企業法務への転職はできた
最初に結論を書きます。
私は行政書士試験合格後、法務未経験から企業法務へ転職することができました。
ただし、
「行政書士試験に合格すれば企業法務に就職できる」
という意味ではありません。
行政書士試験に合格したことは、私の転職活動における一つの材料にはなりました。
しかし、それだけで採用されたわけではありません。
重要だったのは、
未経験者も対象にしている求人を選んだこと。
そして、
自分がなぜ企業法務を目指しているのかを、それまでの経歴とつなげて説明できるようになったこと。
だったと思っています。
法務未経験だからといって、最初から諦める必要はありません。
一方で、未経験なのに経験者向けの求人ばかり応募して、
「やっぱり法務未経験では無理なんだ」
と判断するのも違います。
自分が採用対象になっている求人を探し、そこで企業法務としての最初の経験を作る。
私はそのように考えて転職活動をしました。
なぜ行政書士事務所ではなく「企業法務」を選んだのか
行政書士試験に合格したのであれば、
「行政書士事務所に就職して実務経験を積む」
という選択肢もあります。
しかし、当時の私は行政書士事務所への就職ではなく、一般企業の法務職を目指しました。
理由はいくつかあります。
まず、当時の私には行政書士として独立して仕事をするイメージがまったくありませんでした。
行政書士試験には合格しましたが、自分で事務所を開いて、お客様を集めて、仕事を受任して……という未来は想像できていませんでした。
そして、もう一つ。
私はオフィスで働く仕事に戻りたいと思っていました。
その中で興味を持ったのが企業法務でした。
当時の私にとって企業法務は、
「選ばれた一部の人がやる特別な仕事」
のように見えて憧れを持っていました。
法律を扱う専門的な仕事。
オフィスで働く仕事。
そして、行政書士試験で勉強した法律の知識も活かせる可能性がある。
そう考えて、企業法務への転職を目指しました。
最初は「自分が企業法務に入れるのか」すら分からなかった
企業法務を目指すと決めたからといって、
「行政書士試験にも合格したし、自分なら大丈夫だ」
と自信を持っていたわけではありません。
そもそも、企業法務への転職活動をした経験がありません。
自分が転職市場でどのように評価されるのかも分かりませんでした。
だから最初は、あまり深く考えずに応募していました。
やってみなければ、どんな感触なのかすら分からない。
それくらいの感覚です。
応募する前から、
「この経歴では無理だろう」
「法務未経験だから採用されないだろう」
と自分で結論を出しても、本当にそうなのかは分かりません。
まず応募してみて、企業側の反応を見る。
私の企業法務への転職活動は、そこから始まりました。
求人は「行政書士」ではなく「法務+未経験可」で探した
求人を探すときに意識していたのは、行政書士資格を評価してくれる会社を探すことではありませんでした。
私が探していたのは、
企業法務の求人で、なおかつ未経験者も応募できる求人
です。
行政書士試験に合格したからといって、「行政書士」というキーワードだけで求人を探してしまうと、選択肢を狭めてしまいます。
私が欲しかったのは行政書士という肩書を使える仕事ではなく、企業法務として働く経験でした。
そのため、「法務」「未経験可」などを軸に求人を探しました。
ここは、結果的にかなり重要だったと思います。
法務経験者を求めている会社に、法務未経験の自分が応募し続ければ、当然苦戦します。
しかし、最初から未経験者も採用対象としている会社であれば、少なくとも「法務経験がない」という一点だけで対象外になるわけではありません。
私自身、転職活動をしていて、未経験であること自体をそこまで大きな壁だとは感じませんでした。
それは、未経験者も対象としている求人を選んでいたからだと思います。
関連記事:行政書士資格を活かせる就職先は?企業法務へ転職した私が考えるキャリアの選び方
書類選考は、思っていたより通過した
実際に応募を始めてみると、書類選考は思っていたよりも通過しました。
これは自分でも少し意外でした。
法務未経験。
職歴にも自信がない。
それでも、応募する求人をきちんと選べば、面接まで進める会社はありました。
この経験からも、
「法務未経験だから応募しても無駄」
と最初から決めつける必要はないと思っています。
ただし、書類が通ったからといって、すぐに転職が決まったわけではありません。
私が最初に苦戦したのは、面接でした。
最初は面接をなかなか通過できなかった
転職活動を始めた当初、私は面接をなかなか通過できませんでした。
ただ、今振り返ると、これは必ずしも
「法務未経験だったから」
「行政書士試験の評価が低かったから」
という話ではありません。
単純に、私自身が転職活動や面接に慣れていなかったことも大きかったと思います。
自分の経歴をどう説明するのか。
なぜ企業法務なのか。
なぜこの会社なのか。
行政書士試験に合格したことと、企業法務を志望することにどのようなつながりがあるのか。
こうしたことを、最初からうまく説明できたわけではありません。
面接を受けながら、
「ここは説明が弱かったな」
「この質問にはこう答えた方が伝わるな」
と少しずつ修正していきました。
転機は「すべての点を線でつなげられるようになったこと」
転職活動を続ける中で、一番大きく変わったのは、自分の経歴を一本のストーリーとして説明できるようになったことだと思います。
私の経歴だけをバラバラに見れば、
新卒で入った会社を短期間で退職した。
その後、フリーターのような働き方をしていた。
行政書士試験を受けた。
企業法務を目指した。
という複数の「点」があります。
最初は、それぞれについて個別に説明していました。
しかし、転職活動を続ける中で、
なぜ会社を辞めたのか。
その後、なぜ行政書士試験を受けたのか。
行政書士試験を通じて、なぜ法律を仕事にしたいと思ったのか。
なぜ行政書士としてすぐ独立するのではなく、企業法務なのか。
という点と点をつなげて説明できるようになりました。
すると、
「だから私は今、企業法務を目指している」
という一つのストーリーになります。
私は、これが面接を通過できるようになった大きな理由だったと思っています。
職歴は見られる。でも「説明できれば終わりではない」
法務未経験から転職しようとすると、
「自分のこれまでの職歴が不利になるのではないか」
と心配する人もいると思います。
私も決して綺麗な職歴ではありませんでした。
そして実際、採用側は職歴を見ます。
見ないわけではありません。
ただ、私の経験では、職歴に気になる部分があること自体が、そのまま致命的なネックになるわけではありませんでした。
大切なのは、それについて自分で説明できることです。
過去を無理に良く見せる必要はありません。
それまでの経歴があり、その中で行政書士試験を受け、法律を勉強し、今は企業法務を目指している。
その流れを自分の言葉で説明できれば、少なくとも私は企業法務へ転職することができました。
むしろ、職歴の一部分だけを切り取って弁解するよりも、現在の志望につながるまでのストーリー全体を整理することの方が重要だったと思います。
行政書士試験の評価は、面接官によって違った
では、行政書士試験合格は採用でどの程度評価されたのか。
これは一概には言えません。
実際の転職活動では、
行政書士試験を「難しい試験」と評価する人もいました。
一方で、「簡単な試験」と評価する人もいました。
つまり、行政書士試験に対する評価は人によって違いました。
だから、
「行政書士試験に合格しているから高く評価されるはずだ」
と期待しすぎない方がいいと思います。
逆に、
「行政書士なんて企業法務では評価されない」
と最初から決めつける必要もありません。
少なくとも私の場合、行政書士試験合格は、
法律を勉強したことを示す一つの材料
として使うことができました。
大切なのは資格名だけをアピールすることではなく、
なぜ行政書士試験を受けたのか。
何を勉強したのか。
そこからなぜ企業法務を志望するようになったのか。
まで説明することだと思います。
行政書士試験と企業法務実務は別物
ここは誤解しない方がいいと思います。
行政書士試験に合格したからといって、企業法務の実務ができるわけではありません。
実際に企業法務として働き始めれば、契約書、会社法、個人情報、知的財産、社内手続など、その会社や担当業務に応じて改めて勉強することになります。
行政書士試験は、企業法務の実務研修ではありません。
ただ、法律を勉強した経験があり、そのうえで法律関係の仕事をしたいと考えていることを示す材料にはなりました。
行政書士試験で学んだ知識と実際の行政書士実務との違いについては、こちらの記事でも詳しく書いています。
関連記事:行政書士試験の知識は実務で役立つ?開業して実際に感じた試験と実務の違い
転職エージェントにも登録した。ただし断られた会社もある
私は企業法務への転職活動で、転職エージェントも利用しました。
ただし、すべてが順調だったわけではありません。
当時、大手の転職エージェント2社には登録を断られました。
法務未経験で、職歴にも強みがある状態ではなかったため、紹介できる求人がないと判断されたのだと思います。
しかし、そこで
「大手エージェントに断られた=企業法務への転職は無理」
とは考えませんでした。
別の転職サービスや求人を探して、応募を続けました。
結果的には企業法務へ転職できています。
転職エージェントに求人を紹介してもらえないことと、企業法務として採用される可能性がないことは別です。
一つのサービスの反応だけで、自分の可能性を判断する必要はないと思います。
最初の会社では「企業法務経験を作ること」を最優先にした
未経験から企業法務を目指していた当時、私は最初から完璧な会社を探していたわけではありません。
むしろ、
まず企業法務として働ける会社に入ること
を最優先にしていました。
企業法務としての経験がゼロの状態と、実務経験がある状態では、その後の転職市場での扱いが変わります。
当時、転職エージェントからも、
「3年程度経験を積めば、次は経験者として転職活動ができる」
という趣旨の話をされていました。
それなら、最初の一社ですべてを手に入れる必要はない。
まず企業法務としての経験を作る。
そこで実務を経験する。
その後、必要であれば経験者として次の会社へ行けばいい。
私はそのように考えていました。
だから最初の会社を探す段階では、会社を選り好みしすぎないようにしていました。
これは、未経験から専門職へ入るうえでは一つの考え方だと思います。
「最初の一社」と「その後のキャリア」は分けて考えていい
未経験から企業法務を目指すとき、
給与/会社規模/業界/仕事内容/勤務地/働き方/福利厚生
など、すべての希望を満たす求人を探したくなるかもしれません。
もちろん、条件が良い会社に入れるのであれば、それに越したことはありません。
ただ、未経験の段階で条件を増やしすぎれば、応募できる求人そのものが少なくなります。
私の場合は、
「まず企業法務というキャリアに入る」
ことを優先しました。
そして実際に企業法務として経験を積んだことで、その後は「法務経験者」として転職活動ができるようになりました。
最初の会社が、その後の人生すべてを決めるわけではありません。
むしろ最初の会社を、次の選択肢を作るための入口として考えることもできます。
企業法務経験は、その後行政書士として独立した今にもつながっている
私はその後、複数の企業で法務経験を積み、最終的には行政書士として独立しました。
行政書士試験に合格した当時は、行政書士として独立するイメージすら持っていませんでした。
それが、
行政書士試験に合格する。→未経験から企業法務へ転職する。→
企業法務で法律実務を経験する。→行政書士として独立する。
という流れになりました。
企業法務で身につけた、法律を読み解く力、必要な情報を調べる力、書類を扱う感覚などは、現在の行政書士業務でも役立っています。
企業法務と行政書士の違いについては、こちらの記事で詳しく振り返っています。
関連記事:企業法務経験者が行政書士として開業して感じた「会社員法務」との違い」
また、行政書士試験をきっかけに私のキャリアそのものがどのように変わったのかについては、こちらの記事にまとめています。
関連記事:行政書士試験で人生は変わる?フリーターから企業法務・独立まで進んだ体験談
未経験から企業法務を目指す人に伝えたいこと
もし今、
「行政書士試験には合格した」
「でも法務経験はない」
「職歴にも自信がない」
「それでも企業法務で働いてみたい」
という人がいるのであれば、私が伝えたいのは、
最初から自分で可能性を狭めなくていい
ということです。
私自身、企業法務は「選ばれた一部の人がやる特別な仕事」のように思っていました。
しかし、実際に応募してみると、書類は思っていた以上に通りました。
ただ、最初は面接で落ちました。
それでも転職活動を続け、自分の経歴と企業法務を志望する理由を一本の線として説明できるようになり、最終的には企業法務へ転職できました。
未経験であれば、未経験者を採用対象にしている求人を探せばいい。
最初から理想の会社に入れなくても、まず企業法務としての経験を作ればいい。
経験を積めば、その先は経験者として転職するという選択肢もあります。
だから、当時の私と同じような状況にいる人に一つ伝えるとすれば、こう言います。
選ばなければ、入れる会社は必ずある。
そして、その先の選択肢も用意されている。
安心して転職活動をしなさい。
まとめ|まず「企業法務経験」を作るところから始めればいい
私は行政書士試験に合格した後、法務未経験から企業法務への転職活動を始めました。
当時は職歴にも自信がなく、企業法務は「選ばれた人がやる仕事」のように感じていました。
それでも実際に応募してみると、書類選考は思っていた以上に通りました。
最初は面接で苦戦しましたが、転職活動を続ける中で、
自分の過去の経歴と、現在企業法務を目指している理由を一本のストーリーとして説明すること
ができるようになりました。
そして、最終的には企業法務へ転職することができました。
未経験から企業法務を目指すのであれば、最初からすべての条件を満たす会社を探す必要はないと思います。
まず、自分を採用対象としている求人を探す。
企業法務として働く。
実務経験を作る。
その後、経験者として次のキャリアを考える。
そういう進み方もあります。
行政書士試験合格は、それだけですべてを変えてくれるものではありません。
しかし私にとっては、それまで持っていなかった企業法務というキャリアへ挑戦するためのきっかけになりました。
そして、その企業法務経験が、現在の行政書士としての仕事にもつながっています。
最初から、その先のキャリアまですべて見えている必要はありません。
まずは企業法務として働ける場所を探してみる。
そこから先の選択肢は、実際に経験を積んでから考えても遅くないと思います。
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